第17話

 ゴブリンという名の魔物を聞いたことがない者は、ファンタジーの世界を愛好している者たちの間において皆無に違いない。

 その姿は古くから現代に至るまで様々な変遷を経ているため、これと定められた姿はないこともご承知であろう。


 悪役として活躍するゴブリンを挙げるなら、その性格と姿の醜悪さが全面的に押し出されていると言って良い。


 醜く描かれているゴブリンは背丈が低く、その背骨は酷く曲がっているらしい。


 身長は大体一メートルあるかないかといった程度のようであり、人間の子供ほどの大きさしかない。


 その肉体は痩せこけて貧相であり、頭部は人間よりも一回りほど大きい割に、知性はそれほど高くない。


 その哀れな頭部に毛髪は生えていないことが多く、あっても短く細いのがまばらに生えている程度だ。


 豚のような耳と血走っているような赤い眼球が特徴で、肌の色は周囲の環境や飲食する物によって変わり、よく見られる肌の色としては濃い緑色が見られる。

 他の配色としては、灰色や青などの系統色も確認されている。


 と、挙げていけばきりがないが、とにかく酷い言われようである。

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