第16話


 七之上は密かに歓喜していた。


 なんだかんだで運のなかった自分が、初めから高ランクのキャラクターを引き当てることができるとは、想像すらしていなかったためである。


 そして七之上の自虐的な自己分析は、まさしくこの厳しい現実に対して正しい認識であったと言えた。


 というのも、エリザベスは七之上の言葉を聞くと途端に怪訝そうな顔をして、苦情を申し立てたからである。


「はい? 私はエルフなどではありませんが」


「えっ」


「私はゴブリンです」


 エリザベスは、口をぽかんと間抜けに開けたままでいる七之上を見ると、呆れたようなため息をついた。

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