第15話
女性の格好は、まるで物語に出てくる騎士の姿そのものであったと言って良い。
首から下をエメラルド色のドレスアーマーに身を包み、銀色のガントレットと脚甲で手足を完璧に固めている。
それでいて身体の線は細く華奢ですらあるが、鎧を着こなせるだけの体力と筋力があるのか、微動だにしない。
すっきりとしたうなじから見える肌は正に美白と言うに相応しく、完成したばかりの陶器のように瑞々しい。
やがて、女性は七之上の探るような気配を感じたのであろう。
跪いた格好のまま、静かに言葉を紡いだ。
「我が名はエリザベス。
マスターの呼び掛けに応え、馳せ参じました」
そしてエリザベスは、ゆっくりとその顔を上げた。
金すら霞むブロンドの髪は後ろに綺麗に編み上げられ、強い意志を感じさせる碧眼はまっすぐに七之上を見上げている。
その凛とした顔立ちは、極めて洗練された美貌であった。
「まさか、エルフ……? エルフ引いちゃった系? 俺の時代きちゃったな?」
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