第14話
「なんだ?」
ガチャチケットは鮮烈な光を放つと、灰のようになってボロボロと崩れ去った。
と同時に、七之上の前方数メートルの地点に、半球状の魔法陣が白い光によって形作られていく。
神を心中で散々に罵ったことが、チケットの使用条件として認識されたのだろう。
つまり、出現した魔法陣の中に従者たる魔物娘が召喚されるということである。
「ほえー、たぶん演出が起きるなこれは」
七之上は魔法陣に近づくと、手や足で触れようとしたり、魔法陣の中を覗き込もうとしたり、魔法陣の周りをしきりに行ったり来たりした。
その行動は好奇心に満ちた子猿のそれであり、それと同時に、迷惑以外の何者でもない野次馬のそれでもあった。
やがて、半球状の魔法陣に描かれている幾何学模様が一瞬だけ強く瞬いた。
それからすぐに音もなく、魔法陣が周囲に向かって閃光を放つと、半球状の魔法陣は衝撃もなく霧散する。
咄嗟に両手をクロスさせて顔を保護した七之上は、恐る恐る魔法陣のあった場所を見遣ると、彼に向って頭を下げ、跪いている女性の姿を見つけた。
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