第13話

 生前よりも筋肉がついている彼の肉体には、布の一切れも纏われていなかった。


 いや、よく見ると左右の胸に紙切れが一枚ずつ貼り付けられている。


 それは確かに、転生特典としてもらったプレミアムガチャチケットのようである。


 それらは、確固たる意思をもっているかのように七之上の乳首を隠し、しっかりと貼り付いているのだ。

 七之上が幾ら剥がそうとしても剥がれずにいる辺り、作為的なものを感じないでもない。

 飛び跳ねても、全力で走り回っても、それらは少しもずれたり落ちたりすることがなかった。


 七之上は、憤慨した。


「あの全裸ショタめ、今度会ったらどうしてくれようか……!」


 チケットの仕様はともかく、せめてパンツ一枚くらいはサービスしてくれたってもよかったんじゃねーの? と、心の中で全裸神に向かって猛烈に抗議しているうち、


「ん?」


 右乳首を隠しているガチャチケットが徐々に光を放ち始めた。

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