第6話

 その点を考えるなら、神様が用意した特典くじというのは、なかなか理に適った方法だと七之上は思うわけだ。


 内容は神様が適当に決めたものかも知れないが、その本人がハズレは無いと言っている。

 であるのならここは一つ、神様に偶然拾われたという運に乗っかり、くじを引いて見事に当てて見せ、異世界でハッピーな生活を満喫してやろうではないか。


「神様、俺は引くよ!

 当たりを引いて、異世界生活を楽しむんだ!」


「そうとも北村君、その意気だよ!

 頑張るんだ! 男の勇気を見せつけろ!」


 全裸の少年神が両手に持ったポンポンを振って応援するその傍らで、七之上はこの上なく真剣に集中していた。


 しかし、それも無理はないだろう。

 このくじで当たりの内容を掴むことができるか否かで、異世界における生活環境がガラッと変わってしまうのだから。


「ッシャオラー! 取ったぞー!」


「おお、一気に三枚引き抜くとは豪胆だね! どれどれ……?」


 引いた紙を二人でゆっくりと開いていく。

 そして開いていくうちに、二人の表情は微妙なものになっていった。


 というのも、引いたくじの中身が、『生前の知識の引継ぎ』、『異世界での健康的で恒久的に若い肉体』、『プレミアムガチャチケット二枚』という、いまいち見栄えのしない内容だったからである。

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