第4話

 神様が言うには、その世界は命の価値が軽い世界であるということであった。


 凶暴な魔物も多く、存在しているらしい。


 ゆえに、今まで平和な生活をしてきた七之上の価値観を、生存競争が過酷な異世界においても生きていけるように変異させることになる。

 でなくては、七之上は異世界で何もできずに死んでしまうに違いないからだ。


 そういった事情説明の後、七之上が密かに望んでいた瞬間が遂にきた。

 七之上の密かな期待を読んだ神様は途端に口調を変え、大仰な態度と仕草でもって彼の期待に応えたのである。


「さて、紳士淑女の諸君には長らくお待たせ致しました! 

 僕の世界に転生する新鋭なる若者の北村君に、神様である僕から転生特典を三つ!

 進呈させて頂きます!」


「やったー! ありがとう神様! 

 あんたへの信仰心がいきなり上限突破する感あるよ!」


 この二人、実にノリノリである。

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