第3話
流石は日本の元高校生、話が早くて助かる、と神様は手を打って喜んだ。
神様が言うには、七之上の知っている異世界転生というものをこれから行う予定なのだそうだ。
それを行う理由を聞いてみると、
「こちらの世界の力溢れる魂を、僕の管理している世界に連れて行きたいと思っていたんだよ。
僕の世界の魂は、もうだいぶ元気がないからね。
で、こちらの世界を管理している神にお願いしてね?
一人だけなら連れていっても良いというお許しを頂いたのさ」
そしてそんなところへ七之上の魂が目の前に漂ってきたのだ、と神様は朗らかに笑う。
タイミングが良かったから選んでみたけど、なかなか楽しい魂で安心したよ、と神様はにこにこと微笑みながら愉快そうに答えるのだ。
だが、七之上としてはいまいち面白くない話であった。
俺の魂には人権が無いのかとか、自由に世界を選べる権利は無いのかとか、魂は捨てられたペットじゃないぞとか、お前はどうして全裸なのに少女じゃないのかとか、七之上は神様相手に言ってやりたいことが幾つも頭に浮かんだが、それら一切を飲み込んで話の先を促した。
でなければ、いつまで経っても異世界への転生が行われないことに、聡明を自称する彼は気がついたからである。
「結局のところ、俺はこれからどういう世界に転生するわけよ?」
「そうだね、それも説明しておこうか」
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