第2話
七之上が少年の話を真面目に聞く気になったのは、自分の格好も少年と同様の全裸であったことが大いに起因しているに違いない。
俗に言う、裸の付き合いというやつである。
男という生き物は時々こういった些細で馬鹿な遣り取りをもって交友を深め、同類の友人を作っていくものなのだ。
このような極めて原始的な活動形態が、科学文明の発達した現代社会に生きる女性たちに理解されるかどうかは、疑問の余地を残すところである。
ともあれ七之上は、詳しい理由は明かせないけれど君は死んだ、という少年の言葉を事実として素直に受け入れることにした。
とはいえ、疑問が無いでもない。
「それで少年……じゃなくて神様だっけ? 俺はどうしてこんなところにいるわけ?」
普通、死んだ人間は天国とか地獄とかに行くものなんじゃないの? と、七之上が神様に聞いてみたところ、違うんだなこれが、と楽しげな言葉が返ってくる。
「北村君は輪廻転生という言葉を聞いたことがあるかい?」
「異世界転生なら聞いたことがあるな」
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