第21話 女神降臨 (マソとマゾは違う)
「シュンさ~ん、起きて~。あ、違う。半分起きて~♡」
いや、お前それ。コピペしたらウケると思っただけだろ。
「俺眠いんだよ。今日めちゃ疲れたし」
「大丈夫~。シュンさんの身体は眠ってますよ♡」
と、ここで俺は女神の方を見た。
なんか、違う服着てるのね。
いつもと同じ白一色ではあるんだけど、こう…、デザインが違うと言うのか。似合ってる、セクシー? 色っぽいと言うか艶っぽいというか…ごにょごにょ
要するにエロい。でもやっぱり美しい。ドキドキである。
「シュンさん、なんかいつもと違う~?♡(超絶妖艶な笑み」
ちょっおま…、違うのは貴女でしょうが。この白々しい。白一色なだけに。
どうせ俺の反応見て、楽しんでるんだろ。
しかし俺は努めてクールに。
「いいえ、いつもの俺です。女神様」
「定番の返しありがとう~(微笑」
もうお前帰れよ。マジで。
言っても聞かないので、本題に入ってもらうことにした。
「思ってたより早くシュンさんが成長してるので~今日は特別授業~♡」
ここ拍手するとこみたい。ドンドンパフパフって言って欲しいんだろうな。
「ん? だけど、授業みたいなことはしないって、最初言ってたんじゃ?」
「魔法の授業なのです~。綺麗なエルフちゃんにも無理な神級魔法(キリッ」
「……」
その後、最初のスライムから抜き出した魔石を出せと言う女神。
あ、そう言えば全く忘れてた。綺麗だし大きかったから、売るのも何かもったいない気がして財布に入れてた。なんとなく入れてみたら、なぜかお金・貴金属限定のはずの女神謹製魔法財布には入ったんだよね。他の魔石は入らないけど。
この魔石を左の掌の上に置いて、そのまま握れと。一つずつね。
指輪が魔石と接して、輝き始める。目が開けられないほどの光が溢れて、そしてそれが消える頃には魔石を握っていた感触は消えていた。
続けて二つ目。同じように光が溢れるが、今度は俺の身体全体を包むほどの大きさになる。そして光が治まる頃には、やはり魔石がなくなった。
女神は、二つの石で俺に施したことを詳細に説明してくれた。女神に会って以来、初めて親切さを感じた瞬間だった。その後はステータスについての俺の質問に、そこそこ答えてくれた。
HPなどの数値がある程度確保出来たならば、むしろスキルレベルだと。これ、最初に言われてたんだよね確か。そしてレベルアップはもう気にしなくていいはずだとも言われた。
「今日は長居してしまいました~」
「うーん、体感的には2時間ぐらい話してた気がする」
「シュンさんは~、今後は魔素についてよく考えていってくださいね。私からのお願いです~♡ 性癖のマゾではなくて魔力の素の魔素の方です~」
そんなん、言われんでも間違えんわ!
「それと、シュンさん。彼女が出来たらちゃんと報告しないと許しませんからね~
絶対許しませんから~♡ それでは~」
女神はそう言いながら、俺の頬にキスをして、すぐに光に包まれて消えていった。
この日、俺に追加されたスキルが二つある。
魔法解析Lv3
魔法創造Lv1
そして察知系のスキルの二つが統合されて
統合探査Lv5
更に、女神の指輪の状態が変化した。
空間接続→時空接続
女神には正直な気持ちで疲れていると言ったのだが、翌朝は疲れはなく、すっきり目覚められた俺は朝訓練の為に宿の外に出る。
エリーゼが既にストレッチを開始している所だった。
「おはようエリーゼ」
「シュンおはよう。起きれたんだね」
「すっきり目覚めたよ。自分でも意外」
ルーチンとすべく、黙々と訓練メニューをこなす。
エリーゼは剣に思うところが出来たようで、これまでにない真剣さで俺の説明を聞き、型の練習を時間ギリギリまでやり続けた。
俺はずっと(俺独自の)魔力循環を続けている。
そして統合探査も発動させ続ける。並列思考のおかげで楽になっていたのが、より自然に無意識に行使できるようになってきている。自然探査とでも呼ぶべき状態。
意識しているのは範囲の広さ。広げるとさすがに負担を感じるが、半径200メートルぐらいは無意識に常時発動のレベル。疑似的なものだったのが完全にパッシブスキルに進化した訳だ。オン・オフの切り替えをする程度の感じ。
そして何となく解るのが、統合探査に鑑定が組み込まれる可能性。
また人間辞めたレベルが上がってしまった。
今日も昨日同様に、採取と常時討伐対象の魔物討伐を行った。薬草採取する所は別の場所にしたので、昨日と同じ程度の薬草が採取できた。
そして常時討伐対象の方は、相手が2匹までだったらなるべくエリーゼが単独で、3匹以上の場合は俺が2匹になるまで間引くこと。それを狩りのパターンとしてエリーゼの実力の底上げ。すなわちパーティー全体の底上げを図ることにした。
探査は俺も行うが、エリーゼも彼女自身が持っている技術でやるようにしていく。もちろん俺も変わらず警戒はするつもりだけど。
始める前はエリーゼの負担が大きすぎるように俺は思ったのだが、本人がどうしてもそうしたい。シュンが居るからこそ自分はこんな無茶ができる、とまで言われたら頑張れとしか言えなかった。
その代わり、魔石の採取や死体の処理などは俺が中心に行うことにした。
3日続けて仕事をして、1日休む。朝訓練は休みの日も行うが、そういう日単位のルーチンも余程のことがない限りは継続していくことにした。
そうして、エリーゼも日に日に強く成長していった。
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