第8話

次の日男はまたルリと遊ぶ約束をし、男とルリは男の家でまたお酒を飲んだ。

男は理解していた

「ルリは俺を恋愛対象としてみていないんだ」

男は臆病だった。告白するのが怖くて後悔するのが嫌だった。

でもそれ以上に、ルリはもうすぐ東京に行ってしまう、今告白しなければもっと後悔するだろうと思った

男は告白した

「ルリ、好きだ」

ルリは少しぎこちない笑いをしながら答えた

「うん…」

ルリはそれ以上喋らなかった


これははっきりと振られた訳ではないが振られているのと同じような事だ


男は振られることがわかっていた、わかっていたのに胸が裂けるくらい辛かった。


男は呆然として机に置いてるお酒を一点にみていた。


しばらく時間がたち、ルリが言った

「私、帰るね」

ルリは逃げるように帰る準備をし始めた


男はこの前ルリを送れなかった反省をして

「途中まで送るよ」

そう言った


エレベーターを降りているとき男は言った

「最後に手を繋いでもいいかな」


ルリは笑いながら答えた

「なんでさ」

明らかに拒絶されてる反応だった


でも男はどうしてもルリと手を繋ぎたかった。

そこで男はコートのポッケに手を入れてるルリの手を少し強引に掴んで繋ごうとした。


ルリは怒った

「付き合ってもない人となんて手を繋げられる訳ない!」

そういい男の家を後にした。男はオートロックの家の鍵を室内に忘れてしまい送ることができなかった。


男は吐いた、酒を飲んだからではない、ストレスで吐いたのだ。

何であのとき無理やり手を握ろうとしてしまったんだと男は後悔した。

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