第12話
「ガンドウ様、お人が悪い。名のあるお方なら、初めからそう名乗って頂ければ良かったんだ。色々と私のために手を尽くしてくださったのには感謝しますが、なんだかよく判らないうちに利用されたような気がしてるんです。私の決闘をダシにして、前から目を付けていた悪党共をいぶりだしたんではないでしょうか」
場を
「そいつあ
「そうやで。あんたやなしにウチがダシにされたんやで。乙女の心をもてあそんで楽しんか? ああ、ウチは宇宙一不幸な少女や」
「ヤバスさんがお若いままだというのはもう納得してるんですが、どうしてガンドウさんまで若いままなんですか。
「間もなく
「ウチが居るから寂しない寂しない。あんたが不老の呪いを貰うたて判ったときは、あんたのために泣いてしもうたけど、今となっては長い付き合いの知り合いが居ってくれてよかったあ思うてんねん。やからあんたもウチにそう思いい。ありがとお、てな」
ヤバスが
フィルはガンドウの、広くてひっそりと冷たく沈んだ感じの屋敷を思い出し、不老が呪いというガンドウとヤバスの気持ちがわかるような気がしたが、ははあと
「さて、改めて聞きたいことがある」
「明日、
「ええ、やります」
「殺したいほどに憎い相手かえ」
「いいえ、全く。今から思えばほんの
「べら棒め! 果し合いに向かうのに『出来るだけ殺さぬように』などと
「構いません。一度は受けた決闘をやはり止めたと言って一生卑怯者の
フィルとガンドウの視線ががっちりと
やがてガンドウは呼吸を外し、声をひそめる。
「ではこれより秘中の秘を
「秘中の秘」
「うむ。実は俺らが張っていたのは
と親指を立てる。親指を立てるのは
「探索のお
「迷宮の覚醒! そ、それは本当のことで」
「武士に二言はねえ。40年も寝てたもんだから次はど偉いのが来るよ。人が
「決闘は
フィルはあっさりと
「明日伝えます。しかしガンドウさん、今の話、本当でしょうね」
「くどいよ」
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