第11話
迷宮から出てきた三人を見て、隊長と眼帯の兵隊は
「どうした! 血塗れではないか! 中で何があった! 怪我はないか!」
「大きな大きな鼠がいやしてね。これはみいんな返り血ですんでご心配は要りやせん。ねえ隊長さん、四匹とも始末してきたよ。お穴の番所の隊長が
突然戻ってきた血塗れの男にまくし立てられ、若い兵隊は後ずさる。
「た、た、隊長、こ、こ、これは一体」
「知らん。大方追剥同士の仲間割れだろう。自分の仕業を兵隊に
眼帯が左脇から殺到するのを目の脇で
「べら棒め、悪事の
隊長の右手が剣に伸びる、が、あっという間に距離を詰めたガンドウの右手に
「死んでしまいますよ!」
「死んでも構わねえがねえ」
隊長の顔面は血と涙でもうぐちゃぐちゃ、
「加勢呼べ加勢を、こいつら無茶苦茶だ、兵隊に手を挙げたらどうなるか教えてやれ」
「
ガンドウはもろ肌を威勢よく脱ぎ、右肩を前に張り出し
「
げえっと肝を奪われる兵隊たち、それとフィル。もう呆気にとられて口をパクパクさせるのみ。
「自分で言うのもおこがましいが、手柄の証に恐れ多くも義王さまの紋章をいただいたのよ。お前らのような不届き者には
答えを聞くまでもなく隊長は
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