第24話 女神と話しているうちに怖ろしい可能性に気づいた場合(2)



「いや、それがさ、さっき『対人評価』で確認したんだけど・・・」


 おれはさっき使った『対人評価』で、スクリーンに出たみんなのステータスをもう一度確認する。






 名前:ジル 種族:人間(セントラ教:アコンの村) 職業:セントラの巫女

 レベルなし 生命力10/10、精神力10/10、忍耐力10/10

 筋力6、知力6、敏捷6、巧緻6、魔力6、幸運6

 一般スキル・基礎スキル(0)、応用スキル(0)、発展スキル(0)、特殊スキル(0)、固有スキル(0)


 名前:ウル 種族:人間(セントラ教:アコンの村) 職業:なし

 レベルなし 生命力10/10、精神力10/10、忍耐力10/10

 筋力5、知力5、敏捷5、巧緻5、魔力5、幸運5

 一般スキル・基礎スキル(0)、応用スキル(0)、発展スキル(0)、特殊スキル(0)、固有スキル(0)


 名前:ノイハ 種族:人間(セントラ教:アコンの村) 職業:狩人

 レベル5 生命力50/50、精神力50/50、忍耐力50/50

 筋力30、知力38、敏捷39、巧緻36、魔力23、幸運15

 一般スキル・基礎スキル(0)、応用スキル(2)長駆、解体、発展スキル(2)捕縛、弓術、特殊スキル(1)、固有スキル(0)


 名前:ヨル 種族:人間(セントラ教:アコンの村) 職業:なし

 レベル2 生命力20/20、精神力20/20、忍耐力20/20

 筋力13、知力12、敏捷15、巧緻11、魔力12、幸運8

 一般スキル・基礎スキル(0)、応用スキル(2)長駆、採集、発展スキル(0)、特殊スキル(0)、固有スキル(0)


 名前:ムッド 種族:人間(セントラ教:アコンの村) 職業:なし

 レベル2 生命力20/20、精神力20/20、忍耐力20/20

 筋力13、知力11、敏捷13、巧緻13、魔力9、幸運12

 一般スキル・基礎スキル(1)運動、応用スキル(0)、発展スキル(1)好奇心、特殊スキル(0)、固有スキル(0)


 名前:スーラ 種族:人間(セントラ教:アコンの村) 職業:なし

 レベル2 生命力20/20、精神力20/20、忍耐力20/20

 筋力16、知力17、敏捷16、巧緻15、魔力16、幸運11

 一般スキル・基礎スキル(2)運動、調理、応用スキル(0)、発展スキル(0)、特殊スキル(0)、固有スキル(0)


 名前:セイハ 種族:人間(セントラ教:アコンの村) 職業:なし

 レベル2 生命力20/20、精神力20/20、忍耐力20/20

 筋力12、知力18、敏捷12、巧緻16、魔力17、幸運10

 一般スキル・基礎スキル(0)、応用スキル(1)作炭、発展スキル(0)、特殊スキル(1)、固有スキル(0)


 名前:クマラ 種族:人間(セントラ教:アコンの村) 職業:覇王の婚約者

 レベル5 生命力50/50、精神力50/50、忍耐力50/50

 筋力30、知力44、敏捷33、巧緻37、魔力39、幸運18

 一般スキル・基礎スキル(2)信仰、学習、応用スキル(1)栽培、発展スキル(1)論理思考、特殊スキル(1)、固有スキル(0)


 名前:アイラ 種族:人間(セントラ教:アコンの村) 職業:覇王の后、戦士

 レベル10 生命力130/130、精神力130/130、忍耐力130/130

 筋力71、知力61、敏捷70、巧緻69、魔力59、幸運27

 一般スキル・基礎スキル(4)運動、調理、信仰、説得、応用スキル(2)殴打、蹴撃、発展スキル(2)戦闘棒術、苦痛耐性、特殊スキル(1)、固有スキル(1)


 名前:シエラ 種族:人間(セントラ教:アコンの村) 職業:なし

 レベル1 生命力10/10、精神力10/10、忍耐力10/10

 筋力7、知力9、敏捷8、巧緻8、魔力8、幸運8

 一般スキル・基礎スキル(0)、応用スキル(0)、発展スキル(1)魚料理、特殊スキル(0)、固有スキル(0)


 名前:ジッド 種族:人間(セントラ教:アコンの村) 職業:戦士

 レベル8 生命力80/80、精神力80/80、忍耐力80/80

 筋力73、知力59、敏捷68、巧緻62、魔力49、幸運21

 一般スキル・基礎スキル(3)運動、調理、説得、応用スキル(3)殴打、長駆、剣術、発展スキル(1)戦闘視野、特殊スキル(1)、固有スキル(0)


 名前:エラン 種族:人間(セントラ教:アコンの村) 職業:なし

 レベルなし 生命力10/10、精神力10/10、忍耐力10/10

 筋力3、知力3、敏捷3、巧緻3、魔力3、幸運3

 一般スキル・基礎スキル(0)、応用スキル(0)、発展スキル(0)、特殊スキル(0)、固有スキル(0)






「どうやら、一般スキルの名前が分かるようになったみたいなんだ。『対人評価』のスキルレベルが上がったんだろうな。それに『対人評価』で消費する耐久力は少なくなった。これもスキルレベルが上がった効果なのかもしれないと思う。それで、クマラのスキルなんだけど、確かに、学習スキルが身に付いているみたいだな」


 クマラのスキルは、基礎スキルが信仰、学習、応用スキルが栽培、発展スキルが論理思考となっていて、あとは特殊スキルなのでまだおれにはそのスキルが何かは分からない状態だ。


「学習スキルだけじゃなくて、『論理思考』って、おれが持ってない発展スキルなんだよ。クマラが賢いのって、このスキルの影響もあるんだろうな」


 ・・・特殊スキルを確認しましょうか?


「・・・セントラエムは、おれ以上の力を使えるんだよな。まあ、神族なんだから、当たり前なんだけどさ。おれの『対人評価』って、セントラエムに対しては使えないの?」


 ・・・使おうと思えば、使えるはずですが。


「じゃ、試しにやってみようか」


 おれは意識を高めて、『対人評価』をセントラエムに向けてみる。


 スクリーンに表示されたのは・・・。


『レジストされました』


 あれ?


「セントラエム、レジストされましたって、なってるんだけれど・・・」


 ・・・ああ、そうなりましたか。別にスグルのスキルに抵抗した訳ではなく、単純に私の方が、スグルよりも少しレベルが上なので、うまくスキルが働かなかったということでしょう。レベル差が大きい場合はたいていレジストされます。レベル差の上下に関係なく、レベル差が小さい場合には、かなりの確率でレジストされますしね。


 あ、そうなんだ。

 なんか悔しいな。


 もう一回、挑戦だ。

 えい。


『レジストされました』


「もう一回やってみたけど、やっぱり『レジストされました』って、なるよ」


 ・・・だから、さっき言いましたよね? レベルが上の存在に対しては、スキルが通用しない場合もあるのです。


「場合もある? ということは、成功することもあるってことか?」


 ・・・そうです。力の差を越えて、スキルを使用することは不可能ではありません。


 そうか。

 なら、いつも以上の集中を。


 真剣に、心から、力を振り絞って。

 『対人評価』を使う。






 名前:セントラエル 種族:神族 職業:守護神(中級神)

 レベル52 生命力7200、精神力13000、忍耐力5500

 筋力230、知力340、敏捷265、巧緻285、神力500、幸運84

 『これ以上の内容はレジストされました』






「あ、一部分だけど、成功した」


 ・・・えっ? 本当ですか? 三回目で?


「本当だって。スキルに関する内容はレジストされたみたいだな」


 おれは短く答えた。


「おれとセントラエムのレベルは2つちがい。生命力とか、精神力とか、忍耐力とかの数値が人間とはケタ違いに多いのは、神族だから、種族補正でそうなるのかな。その他の能力値は、そういう圧倒的な差がある訳じゃないか。筋力、知力、敏捷、幸運なんかはおれの方が数値は高いくらいだもんな。これは驚きだ。魔力は神力って、呼び名がちがうけど、似たようなものだとしたら、この数値はセントラエムの方がすごく大きい」


 ・・・本当ですね。やはりスグルは、人間としては完全に規格外だと考えられます。筋力・知力・敏捷・幸運の数値が、レベルの近い神族よりも高いということは、神と戦ったとして、神に攻撃をあてた上に、神を傷つけるだけの能力をもつ、ということですから。いいえ、それどころか、下級神であればスグルが圧倒してしまうことすら、考えられますね。


 怖ろしいことを聞いてしまった。

 おれは、下級神を倒せるレベルにいるらしい。


「それでも、生命力の差は圧倒的だからなあ」


 ・・・忘れていませんか? 守護神の私がいる限り、私の神力で、私の精神力や忍耐力が尽きるまでは、スグルの生命力を回復させることができるのです。だから、生命力の差は、埋められない差ではありません。


 そういえば、そうだった。

 守護神が中級神だということは、下級神よりもステータスは高いはず。


 だから、一撃で即死、というようなことがない限り、神力500のセントラエムからの回復を受けられ続けるし、セントラエムの精神力は五ケタだから、ある意味で無限に回復を受けられる。


 だから、か?


 神族すら、おびやかす可能性があるから。

 転生を世界の端みたいなところに送り込んだのか?


 それは、言いかえると・・・。


「上級神は、おれが神族と戦う可能性があるって、考えたのかな・・・」


 ・・・まさか、そん、な、はず、は、ない、・・・と、言えない、です、ね。


 おれとセントラエムは顔を見合わせた・・・というつもりにおれはなった。相変わらず、セントラエムとは話はできるが、姿は見えないままなのだ。





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