第124話 創造神の力
浄化は終わったが、生き残った人達の数は非常少ない。これから、子供達も探さねばならない。生きていれば良いんだが……。
『ちょいちょい』
なんだ? 今は考え事で忙しいんだ。後にしてくれ、戦争になるかもしれない土地に子供を置き去りにする訳にはいかないんだから……。
『ねえねえ、儂ならなんとかできるけど?』
なんとかできる? 誰だか知らないけど、冗談に構ってる暇はないんだよ。
『儂、創造神だよ? 御主らが、きちんと浄化してくれたしのう。今回は儂のせいで、間に合わなかった節もあるから、大サービスしちゃうよ?』
「ああ! はいはい! なんとかできるなら、なんとかしてくれよ! 子供達も探さないとだし、戦争が起きるかもしれやいしで、頭がパンクしそうなんだよ!」
乱暴に言ってしまったが、仕方ない。今は、考える事が沢山あり過ぎる。
『怖っ』
怖っじゃねえよ! 頼むから静かにしてくれ!
「洋一、さっきから創造神様が、なんとかしてくれるって言ってるよ?」
創造神? ファンキー爺い? うおっ! 体育座りしてるファンキー爺いがいる! いつからいたんだ?
『はーい。儂がなんとかしまーす。今回は特例中の特例。御主らの行いに免じて、元に戻しまーす』
ファンキー爺いから、黄金色の光が溢れる。
『これやると、儂しばらく天界から動けないから、これから先頑張るんじゃぞ? 会話も出来なくる。神が不在の世界、どう荒れるかはわからんが、御主らに任せる!』
「えっ?」
『
壊れた建物が、高速で元の状態に戻っていく。
「うおっ! なんだこれ?」
皆んなを見てみるが、固まっている。動けているのは俺だけか?
「洋一、動けるのは私達だけみたいね」
蘭も動けるのか、それにしてもなんで俺達だけ?
『邪神側の動きが強くなっておる。儂がこの力を使わざるおえない様に、動いてきてるのが証拠じゃ』
ファンキー爺いの声が響く。
「ファンキー爺い! さっきの話ってどう言う事なんだ?」
『説明してやれなくてすまぬ。残りの神殿は後*じゃ……御主らに世界の命運を託すしかない、儂ら神を許してくれ。出来ればア*テ**を救ってあげてくれ……』
ファンキー爺いの声は、途切れ途切れになり良く聞こえない。
「なんだよ! 最後のお別れみたいに言うなよ!」
『頼む……世*を……二つの世*を……』
ファンキー爺いの声は、聞こえなくなった。
「なあ、蘭一体? って蘭!?」
蘭が、先程のファンキー爺いの様に輝いている。
「創造神様、ありがとうございます」
蘭は、頭を下げファンキー爺いに御礼を言っている。一体なにが?
「創造神様は、最後に私に加護をくれたの」
最後? ファンキー爺いとはもう会えないのか? 俺が、元に戻してくれって願ったからか? 一国のためにファンキー爺いは……
「創造神様は、死んだ訳じゃないけど、私達が生きている間は、会えないかもしれないわ」
蘭が、悲しげな声をだす。そうか、ファンキー爺いとは、もう会えないかもしれないのか。
色々あったけど、ファンキー爺いの願い、俺達が叶えるよ。
「蘭、凹んでる暇はないぜ。残りの神殿を解放して、邪神を倒さなきゃな! ファンキー爺いの願い叶えようぜ! 世界のピンチだしな」
俺は、出来る限り明るい声を出し蘭に向けて、下手くそな笑顔を向けながらサムズアップする。
「洋一に励まされるなんて、なんか地球にいた時みたいね」
「そうか?」
地球にいた時にそんな事あったっけな? うーん。
「私が、覚えてるから良いの。そろそろ時が戻るよ」
「そして時は動きだすってなあ!」
「はあ。なんでネタを挟むのかなあ……(かっこよかったのに台無しだよ……)」
♢
建物や人が元通りになっている。ファンキー爺いすげえな。普段あんなにおちゃらけてるけど、めちゃくちゃ良い仕事したじゃねえか。流石神様だぜ
「洋一君、一体なにが? 壊れた建物や、ゾンビ化した人が、元通りに……。前に会った神の気配がしたけど」
『さっき創造神様の気配を感じたけど……』
師匠とリュイは、流石に鋭いな。これは、説明をちゃんとしないとだな。
師匠、リュイ、レイ先生、ライルにファンキー爺いが、神の力を使い元に戻した事を伝える。
『じゃあ……桜も元に戻ってるのかな?』
リュイナイス提案! もしかしたら、桜さんもディアナと融合前になってるかもしれない!
「桜さんのとこに行ってみよう!」
混乱している人達の間を縫い、桜さんの元へ走る。桜さんの元へ着くと、まだ蹲って泣いている。
「桜さん、ファンキー爺い、いや創造神様が、全て元通りにしてくれました。人も建物も! だから、もう泣かなくて良いんですよ!」
俺の言葉に、桜さんは顔をあげる。涙でぐしゃぐしゃになった顔に不釣り合いな角が付いている。
「……ほんとに? お爺ちゃんや皆んなが元に戻ってるの?」
桜さんの上目遣い……破壊力がやばい!
「ああ! 皆んな元通りだ! 説明は大変かもしれないけどさ」
邪念を振り払い、桜さんにサムズアップして見せる。桜さんの尻尾が犬の様に動いている。犬が喜んだ時みたいに。
桜さんが、自分の額を触る。
「あっあの……。角がまだあるんですけど……」
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