番外編 鷹匠のお仕事 農家の強さ
俺の仕事は
俺の相棒はクマタカの雌の
役場の仕事と並行して、イノシシやカラスや鳩などから農作物を護ったり、最近ではカラスからの投石攻撃からソーラーパネルを護ったりしている。
カラス達は蘭の姿を見ると散り散りに逃げて行く。
「蘭今日もありがとうな」
俺はいつも蘭に話しかけている、何となく蘭なら理解してくれると思いついつい長話をしてしまう。
「最近のカラスはどんどんやる事が酷くなってきたなあ。糞害だけじゃなく投石までして、全くずる賢い奴らだなあ」
「ピッ!」
「蘭もそう思うだろ?」
そんな害鳥達が居るから仕事があるんだと思うとやるせない気持ちになる。
「師匠の元を離れてわかるけど、師匠って凄かったんだなーめちゃくちゃ厳しいし直ぐに手が出たけど」
師匠の厳しさを思い出し思わず苦笑いをしてしまう。
「蘭明日は猿避けだ。山から降りてきて果樹園を荒らし回ってるからな。頑張ろうな!」
「ピッ!!」
♢
猿達は人間を恐れず、果樹園を荒らしている。
「頼むぞ蘭!」
蘭は猿を発見し、大きな声で鳴く。猿達は蘭を警戒して騒ぎ始める。猿達の隙を見逃さず、頭上すれすれを飛び回り威嚇する。
「蘭良いぞ! 猿達が山に逃げ始めたぞ!」
猿達が山に撤収して行くのを見ていたら、横道から婆さんが黒い何かを担いで奇声を上げながら猿に突撃して行った。
「きえええええ!! 猿共目くらええええ!!」
バババババババ
何かを連続で発射する音が響く、命中した猿は悲鳴を上げながら逃げ惑う。
「えっ? あれ電動ガンか?」
蘭は巻き添えを喰らう前に俺の元に戻って来た。
「猿めええ!! 逃げるなあああ!!」
婆さんは叫びながらも電動ガンを撃ちまくり、弾が尽きると流れるような動作でマガジンを変えて更に撃ち続けた。
「なあ蘭、俺達は今日きた意味あったかな?」
「ピッ・・・」
俺達は肩を落としながら帰って行った。
「あの婆さんだけは敵に回しちゃいけないな……」
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