ムスメモイナイカラ
2019・10・4
微妙な別れ際の翌日
前の晩、眠れなかった反動だろうか
今朝は充分な睡眠を取れたので、爽快な目覚めで体調は万全
今夜はイベントがある日だ
先月赴任してきた女性の歓迎会
つまり、今夜も彼女を含むメンバーで飲み会がある
さらに昨日のクルーズ中に計画していた事
森 実は今日、斎藤さんの誕生日なんですよ
僕 そうなんだ、いくつになったのかな?
森 それは私からは言えないので、本人に聞いてくださいw
僕 聞くけど、僕が誕生日を知っててもいいのかな?
森 んー
僕 森川さんから聞いたって言ったら不自然じゃない?
森 不自然かも・・・
僕 じゃあ聞かない
少々重めの感じになってきたので、明るい方向へ誘導してみる
僕 あっ!明日歓迎会だよね?
森 そうでしたね
僕 二次会パスして三人でスターダストで飲もうか?
僕 斎藤さんの誕生日を祝う的な感じで
森 三人?津島さんは?
僕 あいつは歓迎会来ないから三人で
森 両手に花ですねw
僕 花?
僕 自分で言う?
森 全然花じゃないです、スミマセンネー
いやいや、とても綺麗な花ですよw
森 でも斎藤さん喜ぶと思うから、是非三人で行きましょうw
僕 じゃあ誘っといて
森 了解ですwww
と、言う感じなのだが、これは微妙な別れ際の前の話し
そのまま履行される保証は何処にもない
でも僕の知る彼女であれば、そのまま決行だ
と、切に願う
20:00
歓迎会は終わったが、彼女から決行の連絡はない・・・
今夜は潔く諦めて帰ろう
そう決めて席を立った刹那、胸ポケットの携帯が震えた
祈るように画面を見ると
森:斎藤さんOKです
よし!
思わず声に出しそうになったが、ぐっと堪えて彼女の隣へ瞬間移動して耳元で小声で
僕 なんか二次会出席者の勧誘始まってるから、僕は裏通りに隠れるから
森 わかった、斎藤さん連れ出したら連絡するね
僕 じゃあ合流したらタクシーで逃げよう
森 うん、わかった
森 ねえねえ
僕 どうした?
森 なんか楽しいねwww
僕 じゃあ消えるよw
首尾よく彼女達と合流してタクシーでスターダストへ移動
スターダストはレトロな雰囲気のある老舗のバー
三人で楽しく盛り上がる
名物の3曲100円のジュークボックスで、各々1曲づつ選んだのだが
彼女が選んだ曲は
サザンの秘密のデート
斎藤さんの隣に座り、僕に目で合図を送る彼女
斎藤さんの目を盗みながら反応する僕を見て楽しんでいるようだった
この時の意地悪な彼女の笑顔を僕は一生忘れないだろう
昨夜の微妙な別れ際も、もうどうでも良い事だ
僕の好きメーターはまた1段、いや3段は上がっていた
こんなに綺麗で
こんなに可愛い
そして意地悪な女は始めてだ
減点する箇所が思い当たらない
僕にとって完璧な、理想そのものが彼女なのだ
店の看板の前で記念撮影をして、僕達三人は帰路に着いた
駅のホーム
森 私は菊名で乗り換えるので上り電車に乗って帰るわ
斎 私は1本で帰れるので下りよ
僕 僕も横浜乗り換えだから下りだね
森 お先に失礼します、今夜はとっても楽しかったわ
上り電車が先に来たので彼女が一人で乗り込む
僕はギリギリで思いついて
僕 あっ新横浜で乗り換えた方が楽かも?
僕 じゃ、僕も上りで帰る、お疲れちゃんw
斎藤さんを置き去りにして、僕も電車に乗り込む
彼女は驚いて
森 どうしたの?
僕 新横浜乗り換えもアリだから
森 そうなんだ
僕 今日も楽しかったね
森 も?
僕 も!
森 wwwwww
僕 菊名乗り換えだよね?
森 そうだけど
僕 菊名でお茶でも飲まない?
森 菊名は何にもないよ?
断られたか・・・
ま、遅いし仕方ないか・・・
僕 そっか・・・
森 新横浜乗り換えだよね?
僕 そうだよ
森 じゃあ新横浜でお茶しよっか?
僕 え?
僕 それだと戻る事になるよ?
森 いいの
森 今夜は娘もいないから大丈夫なの
ムスメモイナイカラダイジョウブ?
何が?
僕 じゃあ新横浜に行こうか
森 そうしましょう
え?
なんでそうなるの?
いいの?
本当にいいの?
僕達は新横浜で降りて、お茶を飲む店を探した
展開が急すぎる
僕は平静を保つ事が難しくなりそうだった
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