合コンに行こう
年は明けて2019年
妻と揉める事もなく、子供がぐれる事もなく、相変わらず家庭は円満
仕事についてもトラブルもなく、穏やかな日常が流れていた
新年会を通常うちの会社ではしないのだが、産休に入る女性の送別会を兼ねると言う事で今年は行うそうだ
遅刻は嫌いなので、少し早めに新年会の会場に入るとそこには目の覚めるような美人が佇んでいた
誰?
部屋を間違えたのかと思いましたが、良く見ると黒ちゃん改め森川さんが一人で待っていた
前回、斎藤さんに教えてもらっていたので苗字だけは覚えていたのだ
僕 森川さん、早いですね
森 はい、早く着いちゃったのでお店の人に頼んで先に待たせてもらいました
僕 そうなんだ
会話が続きません
そもそも殆ど知らない人だ
しかも相手はかなり高レベルの美人さん
濃いと言うよりはハッキリした顔立ちの美人
黒いと思っていたのはそもそもの間違い
少し緊張するレベルの美人とのタイマンに僕は耐えられなくなり、ちょっと見てくると言って外に逃げようとしたと同時に、何人か到着したので事なきを得た
緊張はしますがせっかくなので、さりげなく森川さんの隣をキープしたのだが、何せ相手は超絶な美人さん
まともに話しが出来ていたとは思えず、どんな話しをしたのかも全然覚えていない
つまり収集した情報は0なのだ
森川さんに非があるわけではないのですが、あまりに美人過ぎてこちらが恐縮
でも、何かを画策しているわけではないので、特に気にせずに新年会を終え、相変わらず二次会には参加せず真っ直ぐ帰宅した
そして1か月位過ぎた頃、意味のわからない事象が起こる
たまたま用事があって早めに帰社し、再度出かける用意をして会社を出たところ後ろから僕を呼び止める声がする
森 須磨課長w
振り向いて僕
僕 あー森川さん・・・は、上がりの時間ですね
僕 お疲れさまでした
僕 それでは僕は出かけますので
挨拶を終えて出かけようとすると再度呼び止められます
森 須磨課長w
森 いつになったら、飲みに連れて行ってくれるんですか?
状況がつかめません
飲みに行くって何?
そんな約束してたか?
僕が誘ったのか?
それとも誘われていたのか?
どっちでもいいかw
とりあえず返事をせねば
これを2秒くらいで脳内で状況整理して
僕 いつでもいいよ
僕 いつがいい?
森 私もいつでも大丈夫です
森 でも今日は無理ですよね?
??????????????
でも確かに今日は無理だ・・・
仕事何時に終わるかわからない・・・
僕 うん、今日は予定が読めないから無理
僕 またにしよう
森 またって、いつですか?
森 ちゃんと誘ってくれますか?
グイグイ来るぞ?
どうしたんだ?
モテキか?
僕 勿論誘うよ
森 だったらライン交換してください
僕 いいよ
携帯を取り出すが、やり方がイマイチわからないので画面を開いて森川さんに携帯を渡し
僕 じゃあお願い
森 はい
森 できましたw
森 連絡待ってますね
僕 わかった、近々で連絡するよ
森 いってらっしゃい
僕 いいい・・・いってきます
多分噛んではいないと思いますが、心情的には噛み噛みだったと思う
降ってわいたチャンスに戸惑いながらも、なんとか仕事を終え僕は帰路に着いた
なんとなく自宅から森川さんにラインを送るのは違う気がしたので、翌日の夕方まで待って
僕:お疲れさまです
森:お疲れさまです
僕:早速だけど、今週の金曜日どうかな?
森:大丈夫です
僕:じゃあ、金曜で
僕:横浜駅界隈なら17時30分には行けると思う
森:ではそうしましょう
森:何処に連れて行ってくれますか?
僕:リクエストあれば応えるけど
森:須磨課長のセンスにお任せします
僕:わかった、店予約したら連絡する
森:よろしくお願いします
なんだ?
なんだなんだなんだ?
なんだ、この展開は?
そうか・・・
これはドッキリに違いない
僕がノコノコと店に入ると、テッテレーとか言われるに違いない
あるいは・・・
これは何かのゲームに負けた森川さんに対する罰ゲーム
僕がノコノコと店に入ると、ごめんなさいと謝る森川さんがいて・・・
もしかして・・・
これは美人局の詐欺
僕がノコノコ店に入ると、背中にお絵かきした恐い人がやって来て・・・
と、いろんなリスクについて懸念をしていると
森:相談があるのですが
森:斎藤さんも誘っていいですか?
だよねー
でもガッカリせずに即返信
僕:全然OK
僕:こっちも弟子を連れていくよ
森:では2対2で、合コンみたいですねw
僕:そうだね、店決まったら連絡するよ
森:待ってますw
とりあえず、美人局ではないようだ
少し安堵したが、同時にタイマンじゃないのかと残念に思う気持ちもあった
でも、これが普通の状態
僕は何を勘違いしていたのかわからないけど、職場の綺麗系の女性達と一緒に飲みに行く
これはかなり楽しいイベントである事は間違いない
しかも相手は白と黒
改め、可愛い斎藤さんと美人の森川さんです
僕はすぐに店の予約を取り、何故か家からはラインせず、翌日会社から森川さんに向けて
僕:トルコ料理の店を予約しました
僕:場所は張り付けておくので、17:30に二人で来てください
森:ありがとうございます
森:トルコ料理とか初めてなので楽しみです
僕:僕も初めてですよw
森:そうなんですね、いろいろ試したいですw
僕:そうしましょう
タイマンで飲みに行く緊張よりも、全然楽しそうな合コン?になりそうだ
そういえば、津島(後輩)に連絡するのを忘れていた、奴にも都合があるかもしれないので、急いで連絡しておこう
僕:お疲れ様
津:お疲れさまです、どうしました?
僕:今週末飲みに行くから空けといて
津:仕事の飲みですか?
僕:違う、女の子も二人来るけど都合悪いか
津:全然空いてます、女の子って誰ですか?
僕:当日まで秘密だけど期待してくれ
津:ありがとうございます、超期待します
僕:じゃあ金曜、よろしく
津:了解です、お誘い感謝します
これで良し
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます