第6話 第2ステージ~

横穴の退避場所を出ると反対側の横穴で魔法陣が光っているのが見えた。


「あの魔法陣に乗るの?」

「パンフにはそう書いてあったよ。 ステージをクリアする毎に現れるらしい」


なので俺達は迷わず、魔法陣の光の上に足を乗せた。

すると、スタート時と同じ現象で次のステージへと送られた。


そして、次のステージへと到着した俺達の目の前には、一両のトロッコが線路の上に置かれていた。


「ねぇ、ジョン。 これに乗るのかしら???」

「どう解釈してみても、それしか選択肢は無いようだね」

「何処に向かうのか、わくわく...するわね‼」


覚悟を決めて、俺達はトロッコへと乗り込んだ。

すると、トロッコは自動的に動き出し、目の前の坂道を下り始めた。


「え~、このトロッコのスピード速すぎない」

「顔に当たる風で息が......」

「うひょ~、これよ此れ。 この感じを待っていたのよ」


ヴィーナが、一人だけ楽しそうで何よりだ。


10分後、ぐったりとした俺とティーナ、そして元気いっぱいのヴィーナを乗せたトロッコは終点へと到着した。


そして、俺達がトロッコから降りると、その先に魔法陣が現れて光り輝き始めた。


「次は、どんなステージへと向かうのかしらね...楽しみだわ」

「息抜きが出来る様なステージだといいんだけど」

「この様子だと、ジョン。 それは、期待は出来そうもないわね」


しかし、次のステージへと進んで行いかないと、豪華景品はゲットする事が出来ないので、俺達三人は光り輝く魔法陣へと足を乗せた。



「ねぇ、ジョン。 目の前にある、あの10mは有りそうな樽は何だと思う」

「何だろうね」

「転がって来そうではないわね」


ヴィーナが、状況を判断して感想を述べた瞬間...。


目の前の樽が俺達の方へ向けて倒されて、その樽の中からは大量の水が流れ出て来た。


それを見た俺達は、咄嗟に後ろへ振り返ると全力で走り始めた。


「こんなアトラクションばっかりだね」

「そんな感想はいいから、走るのよジョン」


坑道の中を埋め尽くす様な大量の水に追いかけられてしまった俺達三人は、上り坂になった坑道を駆け上がり何とかやり過ごす事に成功した。


ぜぇ~ぜぇ~


はぁ~はぁ~


俺とヴィーナは、15分間全力で走り回り乱れた呼吸を、何とか整えようと大きく息を吸って吐く。


「はぁ~、しんどいね」

「私もこの姿で走り回るのは、流石にキツイわね」


「二人共、大丈夫???」


俺の胸ポケットの中から、ティーナが心配そうに声を掛けきた。


「大丈夫、大丈夫。 此のところ、鍛錬をサボっていた戒めだね」

「私も洞窟の棲家でのんびりとし過ぎていたわ」



俺達が、呼吸を整えながら会話をしていると坂道の先に魔法陣が光り輝きだした。

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