第5話 廃鉱山
翌日、俺とティーナは再び観光案内ギルドへと来ていた。
円形の窓口を回り込み、昨日受付をしてくれたターニャさんを探す。
すると、昨日とは違う隣の窓口に座っていた。
その窓口には丁度誰も並んで居なかったので、俺は声を掛けて見ることにした。
「こんにちは、ターニャさん」
「あら! こんにちは、ジョンさん。 今日は、どうされました?」
俺は、『坑道跡の探検がトレンドだ!』について聞いてみることにした。
パンフレット自体を、ターニャさんに渡して内容を見てもらう。
「済みません、この記事について詳しく知りたいのですが」
「あ~! この記事のアトラクションの事ね」
「はい、何か情報がありますか?」
それから20分、ターニャさんから記事について詳しく教えて貰った。
要約すると、廃鉱山の坑道後を利用して行うアドベンチャーゲームと言う事らしい。
制限時間内にクリアすると、豪華な景品が貰えると言う事らしい。
ターニャさんから記事について教えて貰ったこの日はルディングの街中を散策して、翌日アトラクションを開催している廃鉱山に向かう事にした。
翌日、午前9時......。
廃鉱山のアトラクション受付窓口前に、俺とティーナ&ヴィーナは来ていた。
何故ここにヴィーナまで居るのかと言うと......。
昨夜、宿の部屋で俺とティーナが今日訪れるアトラクションの話をしている時にヴィーナから定期連絡が入ったのだ。
そこで、ティーナがアトラクションの話をヴィーナに聞かせた処、暇を持て余していたらしいヴィーナが絶対に参加すると言い出して、急遽参加する事が決まってしまったのだった。
そしていま、俺達はアトラクションの受付窓口前に並んで待っているところである。
30分後......。
俺達は、廃鉱山の坑道へと足を踏み入れた。
アドベンチャーゲームのルールは......。
入口から入った先にあるスタートゲートを通り抜けるとゲームが始まる。
それから一旦ゲームが始まると、3時間以内に坑道を走破して出口のゴールゲートを通り抜けなければいけないルールとなっている。
そして、ゴールする時間が早ければ早いほど景品が豪華になるらしい。
また途中で、タイムオーバーした場合は強制的に受付窓口横の排出ゲートに送り返されてしまうらしい。
直近のゴールタイムは、2時間35分となっていた。
「さぁ、行ってみようか‼」
「えぇ、楽しみね!」
「ジョン、豪華景品をゲットよ‼」
俺達三人は、期待を胸にスタートゲートを通り抜けた。
そしてゲートを通り抜けた瞬間、浮遊感があり最初のステージへと送られた。
「ねぇ、これって狭い坑道の中を進んで行くんでしょ、逃げ場が無いわよね」
「ステージ毎に違いは有るようだけど、用意はされている様だよ」
「先に退避場所が分かっていたら詰まらないでしょう」
「それもそうね。 ごめんなさい、変なこと言って」
「まぁ、何が起こるか分からない事を楽しもう」
「そうそう、ヴィーナ...楽しむのが一番よ」
そう思っていた俺達はいま、大きく丸い岩の塊に追いかけられていた。
「ねぇ、ジョン。 何とかして~」
「横道が見つかるまで、走るしかないよ」
「あれ、砕いたらダメなの」
「施設の物を壊したら、そこでゲームは強制的に終了だよ」
「じゃ、走るしかないわね」
15分後、俺達は退避場所の横穴へと何とか逃げ込む事が出来た。
ぜ~ぜ~...は~は~...
「久しぶりに、全力疾走したよ」
「私は、何百年ぶりだわ」
「私は、平気よ‼」
ティーナが平気なのは、俺の胸ポケットの中に居るからです。
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