第4話 ルディングの街へ

魔導列車で移動すること3時間......。

俺とティーナは今回の目的地であるザク・ラメントのメインターミナル駅へと

到着した。


“ねぇ、ジョン。 この駅はサン・フランコよりも更に規模が大きいわね”


ティーナが言う通り、サン・フランコの3倍はあろうかという大きさの駅だった。


西海岸にある最大級の都市なので納得のいく規模のメインターミナル駅だろう。


そして俺とティーナは次の目的地を決める為に、乗車して来た魔導列車から降車

する。

そして駅舎を出ると、俺とティーナは駅前広場にある大きな噴水の所へとやって来た。


“ねぇ、ジョン。 次は何処に向かうのかしら”

“ここからだと北の方にある国立森林公園方面に行ってみようかと思うんだけど”


“この地図だと、どの辺りになるの?”

“え~と、ほらここ。 ここから更に北の方にあるルディングの街だよ”


“でも、ジョン。 東側にも国立森林公園が幾つもあるのに...”

“ティーナほら、ここに書いて有る文字を読んでみて”


“何々?? 坑道跡の探検がトレンドだ‼”

“そう其れ、何か面白そうじゃない”


俺とティーナは、その面白そうな文面に以前訪れた事のある、ドワーフの集落の事を思い出していた。



この日は、駅近くの宿に一泊して翌朝ルディングの街に向けて出発する事にした。



翌朝......。


俺とティーナは、ザク・ラメントのメインターミナル駅から午前9時発のルディングの街へと向かう魔導列車に乗り込んだ。


そしてお昼前には、俺達の乗る魔導列車は無事にルディングの街へと到着しのだった。


“馬車と違って、移動する時間が少なくて済むわね”

“でも、途中にある街をすっと飛ばしてしまうから、旅の醍醐味は薄れてしまう感じがするかなぁ”


“ん~、それも言えるわね。 魔導列車が止まらい途中の街には美味しいものがあったかも知れないし”


相変わらずティーナは、食べ物の方への興味は尽きないようだ。

まぁ、そんなティーナが居るお陰で、楽しい旅が出来るんだけど。


そして、俺はティーナとお喋りをしながら、駅構内から駅前広場へと出て来ていた。


先ずは、この大陸内にしかないと言う観光案内ギルドへと行って見る事にしたからだ。

聞くところによると、観光地の見どころを教えてくれたり、専門のツアーガイドを紹介してくれたりする組織らしい。


観光に関しては、イタリアーノ王国より随分と先を進んでいる感じだ。

そもそも、魔導列車もこの大陸にしかないようだし。


そして、駅前から街中へと向かう大通りを歩き始めて10分程で目的の観光案内ギルドへと到着した。



大きなガラスで出来た扉を開けて、俺とティーナは建物の中に足を踏み入れると、大きなフロア1Fの中央にある円形に造られている、受付カウンターへと向かった。


“円形に造られている受付なんて初めてね”

“でも、この方が効率良く仕事をする事が出来そうだよ”


俺は空いている窓口を探す、すると誰も並んで居ない窓口を一つ見つけたのでその窓口へと行って見た。


「いらっしゃいませ。 お客様のご用件をお伺いさせていただきます、この窓口を担当していますターニャと申します」


急に丁寧な対応をされて、俺は一瞬フリーズしてしまった。


「あっ、済みません。 ご丁寧にありがとうございます。 俺はジョンと言います。

今日このルディングの街に着いたんですけれども、泊まれる宿を紹介して欲しいのですが」


「畏まりました。 どの程度の宿をご希望でしょうか?」


「出来れば、お風呂とトイレが設置されていて、広めの部屋が良いのですが」


「それで宜しいですか。 他に条件などはございませんか?」


「はい、それで大丈夫です」


「畏まりました。 宿泊料金は、銀貨8枚から金貨12枚の部屋で如何ですか?」


思っていたよりも高くない料金設定だったので、金貨1枚の部屋を取る事にした。


「え~と、金貨1枚の部屋を一週間でお願いします」


すると、ターニャさんが端末を操作し始めた。


そして、暫く待っていると...


「お待たせ致しました。 このチケットを、こちらの宿の方へお持ちになってフロントで提示して頂ければ宿泊手続きが完了しますので」


「はい、分かりました。 ありがとうございます」


俺は、ターニャさんからチケットを受け取ると窓口を離れて、指定された宿に向かった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る