第2話 情報を集めよう

初代様の作っていた高性能な地図のお陰で苦労することなく宿を探すことが出来

た俺とティーナは宿の部屋でのんびりとお茶会を始めていた。


俺とティーナが降り立った港湾都市は、グランアメリカーナ大陸スカイウォーカー

合衆国カリフォール州のサン・フランコという名称の都市で西海岸で一番の海の玄関口となっている。


そして、人口も10万人を超えていて、実家の領都など霞んでしまう規模の都市の

大きさとなっている。


“ねぇ、ジョン。 宿で貰った観光ガイドを見ると見どころ満載よね”

“観光地が溢れている感じだね”


“全部見て回ろうと思ったら三ヶ月は必要かしらね”

“徒歩での移動ならそうなるだろうけど、この大陸にしかない魔導列車に乗れば

一月位で何とか回れるんじゃないかなぁ”


“そうそう、その手が有ったのよね”


魔導列車とは、推進機構を積んだ動力車が何両かの客車を同時に牽引して動く

軌道列車の総称だ。


場所にもよるが、この街のメインターミナルから片道2時間から5時間程で其々

の観光地へと行く事が出来るようになっているようだ。


“ねぇ、ジョン。 内陸部のザク・ラメントの方がもっと便利そうよ”

“えっ、そうなの”


“ほら、この軌道路線図を見てみて”

“あっ、本当だね”


そこで、俺とティーナでこれからの行動計画を話し合った結果。


一週間ほどは、このサン・フランコで過ごして、それからザク・ラメントへと

移動する事にした。


そして、本格的に活動を始めるのはそれからという事になった。



それからの旅の途中の一週間は、あっという間に過ぎて行った。



そして今、俺とティーナは魔導列車に乗る為にサン・フランコのメインターミ

ナル駅に来ている。


“ねぇ、ジョン。 どの列車に乗って行くのかしら”

“チケットには、3番線ホームに停車しているドリームライナー号の1号車と記載

されているね”


“じゃぁ、ジョン。 早くそのドリームライナー号の所へ行きましょう”


ティーナは、魔導列車に乗ることが待ちきれない様子で俺に早く移動するよう

にと急かして来た。


まぁ、俺も初めての事なので興味深々ではあるのだが、ティーナの興味はその

何倍も深いようだった。


“え~と、1号車の12番。 窓際のシングルシートの席だね”

“通路を挟んだ反対側はダブルシートなのにね”


この客車では、通路を広く確保する為の措置となっている様だ。


“でも、隣に座っている人のことを気にしなくても良いからいいんじゃない”

“それはそうね”


補足説明だが、シングルシートは185cmの俺が座ってもかなりの余裕があり

ゆったりとした座り心地だった。


こうして、俺とティーナのグランアメリカーナ大陸での本格的な旅が始まった。

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