第264話 王城

【修正報告】

休筆明けの「第230話 デーモンスレイヤー」から、登場人物であるブラックジャガー獣人の『ノワ・・』を誤って『ノア』と記載しておりましたので修正しました。


元々フランス語の黒であるノワールの、上2文字からつけた名前だったのに……。


お詫びし訂正致します。


ーーーーーーーーーーーーーーー


俺とジャイアントハーフの聖騎士リン、ブラックジャガー獣人のノワの3人は、オトキ帝国の王都ダチヨにある王城前に来ていた。


「タクミ様ー。正面突破ですかー」

ノワがワクワクした目をして俺に尋ねる。


「ん~、皇帝だけサクッと殺そうと思ってるんだけど……」


「それは悪手だよー」


「何で?」


「次の皇帝がまた出てくるだけだよー」


「筍みたいだなぁ」


ニョキニョキと次から次へと地面から生えてくる皇帝……。


あ、変な想像しちゃったよ。


「あはは、それに帝国には皇帝に匹敵する公爵達がいるからねー。皇帝の家族を全て殺しても、戦争が直ぐには終わらないと思うよー」


「そうか、じゃあタコ殴りにして心を折って帝国に降伏させよう」


「タクミ様、まさか一人で行かないよね?」

ノワはキラキラした顔で魔王の本を出した。


戦う気満々だな。


「仕方ないなぁ。正面突破するか……」


「やったー!」

ノワは不敵な笑みを浮かべて王城の門兵をみた。


ジャイアントハーフの聖騎士リンも会話を聞いて戦いを予感したのか、魔槍アムドゥスを無言で展開していた。


王城の門兵が二人槍を持って立っている。


俺達の会話は聞こえていないはずだが、王城の正門前で王城を見ながら、ひそひそ話をしている俺達を不審に思っていたのだろう。


「おい、王城に何か用か?」

「用がないならここから立ち去れ!」


シッシッと野良猫でも追い払うかのように、門兵達は手を振る。


「むむ。タクミ様に失礼な!」

リンは魔槍アムドゥスを構えた。


「はー? なにさまですかー?」

ノワは眉を顰めると、影から闇の触手が生えてきた。


「な、何をする。貴様らああああ!」

「ま、まさか王城を襲撃する気か!」

門兵達が槍を構えて掛かって来た。


ズドドドドドドドド!!!


闇の触手が次々と増殖し門兵達を襲う。


「あべし!!!」

「やべろ!!!」

門兵達は触手に貫かれて飲み込まれた。


「タクミ様。さあ、行きましょうか」


ズゴッ! ドロリ……。


リンが魔槍アムドゥスで正門を貫くと、正門の中央部は溶けて人が通れるぐらいの穴が空いていた。


俺達はその穴を潜って城の中に足を踏み入れた。


轟音と共に正門が破壊され溶かされた事で、城の中では大騒ぎになっていた。


正門に集まる騎士達。


しかし、俺達が警戒するような実力のあるヤツはいない。


ノワの魔王の本を使った闇魔法が、リンの魔槍と盾が、俺の聖剣と魔王の手甲が騎士達を蹂躙していく。




一方、タクミを追って王城に向かう剣聖ルイとレッドデビルベアエンペラーの袈裟懸け、コボルトアサシンエンペラーのコウキの3人は……。


「なんだ? コイツら!」

「次から次へと集まって来るワン」

「モンドウムヨウ クルモノハ タオスノミ」


王城の危機に集まって来た衛兵達を倒しまくっていた。

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