第208話 マサイタ国王
「まさか? ザニイ将軍なのか……」
国王は変わり果てたザニイ将軍の姿を見て驚き、恐怖に怯える。
「貴様ぁ、何者だ」
「だ~か~ら~、タクミだって言ってるだろ。そんな事どうでも良いんだよ。全面降伏を受け入れるか否か。どっちだ?」
「ぬぬ、カソウ大将軍! 何をボサッとしておる。こやつを捕まえろぉ!」
「陛下、全面降伏してください。陛下を守るには、それしかありません。この男はドラゴンより危険です。城は斬られて、城門は破壊され、騎士達も侵入を拒む事が出来ませんでした。儂も一瞬で斬られるでしょう」
「ば、馬鹿な! 我が国はこの男一人殺せんのか!」
「で、どうすんの? 戦争継続って事で良いのかな?」
俺が一歩前に出て国王に近付くと、宰相が俺と国王の間に割り込み、両手を広げた。
「狼藉者めぇ! 陛下には指一本触れさせん。者共ぉ! 出会え出会えぇ!」
騎士達の足音が聞こえる。
「ん? つまり戦争継続と言う事だな」
「ちょっと待て! 宰相! それでは、陛下が殺されるぞ」
カソウ大将軍は国王の執務室を出ると、集まる騎士達を留めた。
「退けぇ!」
俺は宰相を魔王の手甲を装着した裏拳で叩き飛ばす。
ドガッ!
「あああああああああああ」
倒れて顎を押さえて呻く宰相を尻目に、俺は国王の目の前に立つ。
「で、どうする? 戦争継続か全面降伏か。どっちだ」
国王は尻餅をついて、恐怖に怯える。
「ひっ、ひぃ……。ぜ、全面降伏します」
「分かった。今からこの国は俺の配下だ。サトウ国の占領下に置く。ノワ、至急サトウ国国王のレンに連絡を取り、統治者の派遣を要請せよ」
「サトウ国? お前らサトウ国の者なのか?」
国王が尋ねる。
「ん? 俺はサトウ国の者では無い。サトウ国が俺の配下なのだ」
「え?」
「まあ、今まで通り、王国を管理するが良い。しかし、サトウ国のがお前らを監視し、統治する。」
俺は執務室のソファーに座る。
「あ! リン、ザニイ将軍を回復してくれ。正気に戻して、責任を取らせないとね」
「畏まりました」
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