第209話 オトキ帝国
皇帝の名前を変更しました。
ウアベ → ドオエ
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この世界で一番の大国オトキ帝国。
経済面も軍事面でも他の追従を許さない。
オトキ帝国は初代皇帝ミートー・ヒロフ・オトキが、周辺国を圧倒的ないの兵器による武力で併呑して成り立つが、現在は武力による拡大路線は取っておらず、現在は経済で牛耳る路線に変換していた。
その帝国に君臨する第90代皇帝ドオエ・オトキ。
皇帝も長く続くとその権力にも陰りが見えて、親族一堂で足の引っ張り合いとなり、独断専行も難しくなっているのだが、ドオエはかつての皇帝権力を目指して、日夜政争中だった。
皇帝の執務室で、人払いをして今日も今日とて、悪巧みをしているのだが……。
オトキ帝国の最大財閥ヤエチゴ商会の会長ヤエチゴとの会話。
「ヤエチゴ、マサイタ王国がサトウ国の属国となった事は知っておろう」
「はっ、ドオエ陛下、既にヤエチゴ商会にて、マサイタ王国への輸出停止等の措置を取っておりますし、マサイタ王国の商会は次々と盗賊に襲われているそうです。いっひっひ」
「ふむ、ヤエチゴ印の盗賊もいると風の噂で聞いておるが、良きに計らっておるそうだ。がっはっは」
「何を仰いますか、陛下も人聞きの悪う御座います。何しろ、盗賊の中には、帝の裏御紋が……、それ以上は無粋ですな。いっひっひ」
「話は変わるが、帝国としても経済制裁を実施しておるのだがな、サトウ国から輸出入が活発になって、それ程効果を発揮しておらんのだ」
「困りましたねぇ。隣国がこれ程急に変わるとは、我々商会の情報もその動きは、事前に全く掴めていませんでした」
「まあ、我が帝国の情報部隊も同様だよ。現在は情報部隊の全力を持って調査させておるがな」
「手に入れた情報も眉唾物が多御座います。何でもEランク冒険者に絡んだ将軍が原因で、そのままその冒険者が王城を占領。国王がその冒険者に全面降伏した事により、サトウ国の属国になったと、何の事かサッパリ分かりません」
「うむ、我のところにもその情報が入った。そのEランク冒険者の情報を冒険者ギルドに照会したが、知らぬ存ぜぬの一点ばりよ」
「おかしな事もあるのですね」
「まあ、何れにしろサトウ国とは一戦を交えなければなるまいて、取り敢えずバチ王国とキイバラ王国、ギトチ王国を焚き付けて、マサイタ王国に攻め入る様に計画中だがのう。がっはっは」
「成る程、それで我が商会から兵器を3国に売らせていただけると、そう言う事ですね」
「そうとも、……その替わり、……察せよ」
「いやいや、申し訳御座いません。手始めに手土産として、これをお納めください」
ヤエチゴはズッシリと重い菓子折を、ドオエ皇帝に差し出した。
「クックック、ヤエチゴ、お主も悪よのう」
「いえいえ、陛下ほどでは……」
「あっはっは」
「いっひっひ」
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