第183話 エルダートレント

無事モンスター達を殲滅した俺達。


モンスターの死骸も全てアイテムボックスに収納して食事に戻る。


臭いがすると食欲が減退するからねぇ。


レッドデビルベアの袈裟懸けは、倒した大猪のモンスターの死骸を生で囓っていた。


ゴブリン達やゴブリンキングのゴブマルは、ジャイアントハーフの聖騎士リンが焼終わって、更に乗せていた肉や野菜を食べて、俺と剣聖ルイも戻って来て素速く食べた。


ん? ルイって戦いながら食べてたじゃん。とルイを見ると、ルイは俺の視線に気付き、


「運動したからお腹が空くのです!」

と主張していた。


排出していないから、関係ないんじゃねぇ? うん、解せない。

まあ、女性にはそんなことはツッコまないけどね。


食事は一段落すると、後片付けをしてまた奥に進むのだ。


かなりの数のモンスターを倒したから、モンスターの出現はほぼ無く、奥に到達。


「この先にエルダートレントと、トレントも10匹程度いるでござる」

ゴブマルの言葉に俺達は立ち止まる。


「良し、ルイが倒すんだろ? 俺達が露払いして、トレント達を倒してやる。危なくなったら介入するけどな」


「良いのですか!」


「お、おう。行って来い」


俺達は森を進むと、トレントの蔦が伸びてきた。


俺は聖剣で蔦を斬り払う。

袈裟懸けがトレントに猛然と突き進み体当たりをした。


バギッ!!


ゴブマルも走り出し、トレントの蔦を切断していく。


俺は魔王のブーツで前蹴りを放つと、前方に蹴りが飛んでいく。


トレントが蹴り倒されて、前が開けた。


壁と見間違う様な巨木が前方に見えた。うねる様な幹の造形が老人の顔を作り、樹齢何千年か何万年かと想像するような貫禄。


これ? ルイには、荷が重いんじゃねぇ。って思ってきた。


「キサマラカァ! ワシノ ナカマヲ コロシタノ──」


「貰ったぁああああ!」

エルダートレントの言葉を遮り、剣聖ルイが飛び込み上段から斬り落とす。


ドゴッ!

「ぐふっ」


エルダートレントの枝が横から、ルイを弾き飛ばした。


枝と言っても、丸太の太さだ。


ルイは大木に身体を打ち付けて倒れるが、直ぐに起き上がった。


「くっ……」


ルイは剣を八双に構える。


俺と袈裟懸けとゴブマルはトレント達を斬り払っていた。


ゴブリン達とキラービーソルジャーのビーワンとビーツーは、リンの傍から離れない様にしている。


ヒュン、ヒュン、ヒュン……。


エルダートレントの枝が音を出して動いた。そして、枝から生えていた蔦が、鞭となってルイに襲い掛かる。


ルイは蔦を躱してエルダートレントに近付こうとするが、枝と蔦に邪魔をされて、中々近付けない。


俺達は周りにいたトレントを倒して、エルダートレントとルイの戦いを見ていた。

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