第122話 スタンピード?

俺とジャイアントハーフの聖騎士リンと、ブラックジャガー獣人のノワと、剣聖ルイは森を駆ける。


「こっちにモンスターが沢山いますよー。」


ノワの案内でモンスター達が多くいる場所に行き殲滅していく。


ノワは闇魔法をモンスターに放ち、リンは盾で防いで短槍で突き刺し、ルイの剣がなぎ払う。


俺も聖剣を手に無双していく。


「はぁ、はぁ、はぁ。タクミ様達は体力あり過ぎです。ちょ、ちょっと休みましょう。」

ルイが息を切らせて、弱音を吐きだした。


「ルイ訓練と思え、息が切れた極限から身体を動かす事が大事なのだ。無駄な力が抜けて最適な動きも身に付くだろう。」


リンが無茶な要求をしているが、さすが元騎士隊の隊長だ。妙な説得力がありそうだ。


「はぁ、はい・・・。」

ルイは半分白目になって、息も絶え絶えでリンについていく。


「もう、大分片付いてきたよー。ルイちゃんもうひと頑張りだー。」


ノワがルイを励ますが、思考能力も無くなってきている様だ。


「この辺りで終わりにするか?ラナと冒険者、村の住人でも何とか出来るだろう。」


「いやぁ、ちょっと勝てないかも知れませんよ。」


リンの言葉に反応するルイ。


「うぅ、もうひと踏ん張りします・・・。」


「ん~。大丈夫そうだよー。騎士が何人か村に到着したみたいだねー。」


ノワは鼻をヒクヒクさせ、耳をピクピクしてかなり広範囲を探知しているようだ。


「良し、それでは一休みとするか。」


「はーい。」

俺の言葉にノワは野営準備を始めた。


リンはルイの肩を支えて木陰にルイを移動させた。


ルイは腰を下ろし動けない様子だが、リンはノワの野営準備を手伝いに行った。


俺? 俺はアイテムボックスから折りたたみの椅子を展開し座って、ノワとリンを見ながら待ってるよ。


「食事の準備が出来ましたー。」


ノワは手際よく食事を作ると、リンが展開したテーブルに料理を並べる。


「ルイ、立てるか?」


ルイが目を開けたのを見て尋ねる。


「はい。何とか・・・。」


ルイはゆっくり立ち上がるとテーブルに向かった。


4人で遅い昼食を取った。


「はぁー。食べた食べたー。」


ノワが後片付けを始めたが、ビクっと身体を震わせた。


「村に何か来たよー。」


「ん?どんなの?」


「ん~。多分高位の悪魔かなぁ?」


「なに!急がなければ!」


ルイが立ち上がり駆け出そうとするが、リンがルイの腕を掴み止める。


「ルイ待て!その状態で1人で行っても助ける事は出来まい。ノワの後片付けを待て。なぁ!ルイ。」


「そうだねー。今行くと危険だよー。ちょっと待ってー。」


ノワが食事の後片付けをしながら、鼻をヒクヒクさせている。


「でも、急がないと村人と王女が危ないだろう。」


「ん~。大丈夫みたいだよー。怪我もしていないし。でも、何かおかしいんだよねー。皆一列になって森の方角に歩きだしたしー。」


「どういう事だろ?捕まって連行されてる訳じゃないんだろう?」


「そうだねー。近くに悪魔はいなくなったし、魅了に掛かってるみたいだねー。」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る