第112話 ノワがマヒロシ王国の情報を持って来た
「リトットでは、手持ちの金貨が少なかったので、充分な報酬を渡せず、すいませんでした。」
と言って、レクが金貨の入った布袋を俺の前に置いた。
「いやいや、要らんよ。」
「そんな事言わんでください。本来はデーモンスレイヤーや迷宮攻略者は、その偉大な業績に応じて、それ相応の褒美として爵位や領地の授与もあるのですが、兄貴はそう言うのは、断ると思って金貨にしたんっすよ。」
「いやいや。」
「そんな事言わずどうぞどうぞ。」
「いやいや。」
「どうぞどうぞ。」
暫く遣り取りをしたが、最終的に受け取った。
「じゃあ、また来ますねー。」
「来なくて良いよ。」
護衛の男は苦虫を噛み潰した様な顔で俺を睨むが、もう1人の護衛のジモは笑顔で帰る。
「タクミ様、先日はすいませんでした。またお会いする事もあるかと思いますので、そのと時は宜しくお願いします。」
「お、おう。またな。」
「レク達が引き揚げたので、俺達も部屋に戻ろう。」
俺とジャイアントハーフの聖騎士リンは、宿の俺の部屋に戻ってきて、俺がソファーに座ると、リンがお茶を入れに行った。
「どうぞ。」
リンがお茶を持って来た。
「ノワが戻ってきたら色々確認しないとなぁ?」
リンに話し掛けると。
「戻ってますよー。」
影からブラックジャガー獣人のノワが現れた。
「ぶへっ、ビックリしたぁ!もう情報入手したの?」
「えへへ、実はですねー。この都市に元暗部の諜報員がいるんですよー。」
「お、それは初耳。」
「すいませーん。言ってませんでしたぁ。えへへ。」
「先ずはご苦労さん。」
「はーい。」
「で、どうだった。と言うかイサカ村の村民消失ってサトウ王国が、絡んでんの?」
「あはは、関係してる訳無いじゃ無いですかー。」
「だよねぇ。」
「ですです。」
「その件は、悪魔が関係してるって事?」
「王家ではその意見が多いですね。国王と第1王子がデーモンスレイヤーのタクミ様に指名依頼を出したそうですよ。」
「冒険者ギルドに行ったけど、何も言われなかったけどなぁ。」
「えへへ、勿論冒険者ギルドが拒否しましたよー。Eランク冒険者に指名依頼は出来ないしー、特級アンタッチャブル指定されてるタクミ様に、冒険者ギルドが指名依頼なんて出来る訳無いですよー。」
「まあ、そっか。指名依頼が来ても受けないけどね。」
「ですよねー。」
「マヒロシ王国がサトウ王国に宣戦布告する件はどうなの?」
「あ、宣戦布告しましたよ。今王国内から兵士が集まってますね。遠い地方からも来るので、来月には出陣式もする予定ですねー。」
「おい、それって一大事じゃない?」
「大丈夫ですよー。リトット領に攻め込んだ時点で、そこまで考えてますからー。」
「ふむ。そっかぁ。後先考えずリトットを襲撃する事にしたのは、俺だからなぁ。責任を感じるぞ。」
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