第13話 冒険者ギルド4

冒険者ギルドのマスターであるエルフのババアが、風の魔法で俺を殺そうとした。


なので、両腕を斬り落とししこたま殴ったら、「何でも言う事を聞きます。」と言うので、殴るのを止めた。


「言質は取ったぞ。」

エルフのババアを見下ろす。


「どんな事を要望するのかのぅ?」

エルフのババアは立ち上がりながら、恐る恐る聞いてきた。


そして、ギルドの職員に目配せして負傷している3人の手当を指示した。

らしい・・・。


先ずは・・・俺達3人の冒険者登録をして貰おう。」


「へっ。冒険者登録?そんな事で良いのかのう。」


先ずは・・・と言ったぞ。まあ、元々冒険者登録しに来ただけだからな。」


「え!冒険者登録しに来ただけなのに、何でこうなったのじゃ?」


「此奴が俺の連れのリンに絡んで、リンの胸を触りやがったのが、始まりだ。」


リンの胸を触り両手を潰された冒険者の、髪を掴んで顔を上げさせた。


「なあ!そうだろ?」


「は、はい。その通りです。俺が絡んで、胸を触りました・・・。」


「リン・パーシヴァル!!!!」

エルフのババアがリンを見て叫ぶ。


「ギルドマスター様、お久しぶりです。」

リンがエルフのババアに頭を下げる。


「聖騎士長のお主が居て、この状況を何故止めさせないのじゃ。」


「聖騎士長!!!」

「そう言えば見た事あるぞ。」

「鬼の聖騎士長リン・パーシヴァルか!!!」

廻りの冒険者達がザワザワ騒ぎ出す。


「聖騎士長はやめました。今はタクミ様の従者です。タクミ様に仇を為す輩は殺されても良いのです。」


「はぁ、お主は、随分変わったのぅ。それにしても、お前はとんでもない女傑に絡んだものじゃ。その上胸まで触るとは大馬鹿じゃ。リンは一人で盗賊50人を殲滅する『鬼の聖騎士長』だぞぃ」


「え!すいませんでしたああああ。」

驚き平謝りの冒険者。


「でそいつの両腕を潰したら、そこの冒険者達が剣と魔法で、俺を殺そうとした。」


ぐったりして職員に介抱されてる冒険者達を指差す。


「おい、剣で俺を斬り殺そうとしたよな!」


「は、はい。すみません。2度としません。助けて下さい。」


「なあ!いきなり魔法を、俺に向けて発動しようとしたよな?」


「ひっ、ひいいいい。そ、そうです。ごめんなさい、もう魔法は使いません。許して下さい。」


完全に心をへし折られた冒険者達は、痛みを堪えて土下座で泣きながら謝る。


「ギルド内での魔法は御法度だぞい。」

エルフのババアが冒険者を睨む。


「俺を魔法で殺そうとした。お前が言うな!」

俺はエルフを睨む。


「うっ、まあ、そうだのぅ。」


「殺しても良かったが、心をへし折る程度にしてやったんだが、そこに理由も聞かず、このジジイが俺に殴り掛かって来た。」

血達磨のサブマスターを見る。


「なあ!問答無用でいきなり殴り掛かって来たよな?」


「その通りだ。理由を聞かなかったのは軽率だった。先ずは暴力を止めるため、殴ろうとしたのに間違い無い。」


さすがサブマスター、血達磨になりながらも上半身を起こし、しっかりした口調で答えた。


「このギルドは何なんだ!直ぐ暴力か?」


「それこそお主が言うな!」

エルフのババアはまだ元気そうだ。


「はぁ、俺は降りかかる火の粉を払っただけだぞ。ババアの方こそ、見てるだけで何もしてない冒険者達を、吹っ飛ばした、そっち方がどう考えても悪いだろう。」


「うっ、・・・。」

ババアは何も言えず。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る