第7話 聖騎士

俺は王家の宝物庫から、魔道具と武器防具と全ての金貨を奪った。


その後王女と一緒に宝物庫から出る。


「王女、俺は現在王都に、王が不在である事を知っている。そして王が王都に戻るのは1ヶ月後である事も知っている。」


「・・・。」


「王が戻るまで奴隷の首輪を外そうと

するな。」


「・・・はい。」


「その間に俺は国を出る。それまでの間、今回の事をここにいる者以外に

バレない様に努力しろ。」


「・・・はい。」


「俺は城を出る。教主、案内せよ。」

「畏まりました。」


俺は教主の案内で城内を歩いている。


「教主、この国を出るための準備をお願いしたい。」


「畏まりました。」


「足の速い馬車と野営用具、食糧等必要と思うが、俺はこの世界に疎い。その他で必要な物があれば任せる。


俺には神様からいただいたアイテムボックスがある。荷物が大きく、量があっても問題ないので、旅が楽になる物はそれらを気にせず用意して欲しい。」


「畏まりました。」


「それから、御者と探索者と料理人が必要だ。奴隷商を紹介してくれ。」


「畏まりました。教会にも要員はおります。残念ながら現在聖女はいないのですが、御者兼前衛&回復担当として聖騎士パラディンを派遣しますので、教会で面談をお願い致します。」


「ふむ。承知した。」


俺達は城を出て教会に向かった。


教会に着くと教主の執務室に案内される。


執務室には教主の執務用机の前に応接用のソファーとテーブルがあり、俺はそのソファーに腰掛けた。


教主は、旅の準備の指示と聖騎士を呼ぶ為に席を外す。


教主は俺の事を使徒だと思ってるので、信用出来そうだ。


修道女がお茶と茶菓子を持って来たので、お茶を飲みながら一息つく。


暫くすると、教主が聖騎士を連れて戻って来た。


「でかっ!」

聖騎士を一目見て思わず呟く。


俺の呟きを聞いて聖騎士は恥ずかしそうに俯く。


「あっ、すいません。」

すかさず謝りました。

絶対身長が高い事を気にしてるよ。


「いえ、本当に大きいので、お気になさらないで下さい。」


聖騎士は女性だった、しかも身長2mを超える長身。


骨太でガッシリした体格の割に、出るとこは出ていて、所謂いわゆる巨乳、しかも美しい。


これは同行確定だな。

旅が楽しくなりそうだ。


「初めまして聖騎士長リン・パーシヴァルと申します。種族はジャイアントハーフです。宜しくお願い致します。」


聖騎士

ジャイアントハーフ?


「先ずは座ってくれ。」

リンと教主は俺の向かいのソファーに腰を下ろす。


教主もけして身長が低い訳では無いが、リンと並んで座ると大人と子供の様だ。


「勇者のタクミだ。宜しく。聖騎士長と言うことだけど、俺に同行して聖騎士隊に影響は無いの?」


「はい。勇者教では勇者様に同行する事が最優先でありますし、聖騎士隊の業務については副隊長に任せられるので、全く問題御座いません。」


「成る程、ジャイアントハーフって、巨人と人族のハーフって事だよね?

人族との相違は身長以外にもある?」


「巨人と人族のハーフで間違いありません。基本的に人族との違いは、身長・体格と力強さだけです。」

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