第5話 勇者 ≒ 使徒

王女に損害賠償と慰謝料として10億円を請求したら、王女は召喚の間にいる騎士達全員に、俺を殺す様命令しやがった。


騎士達全員が武器を構える。


先ずは弓を構えた騎士が最優先かな?

その前に・・・。


「殺す前に一言言っておくよ。俺は神の使徒だ。王女の命令に逆らうと問題がある事は理解してるが、俺に武器を向けると言う事は、神様に弓を引く事だと分かってるか?天罰を受けたく無い奴は武器を棄てろ!」


本当は使徒じゃ無いけどね。

はったりです。


神様御免なさい。


14人騎士がいた内、4人は武器を棄て両手を上げた。


まあまあか。後10人ね。


俺は弓を構えた3人の騎士の後に回って、首を刎ねた。


レベルアップのメッセージが流れる。

<レベルが6に上がりました。>

・・・

<レベルが16に上がりました。>


そろそろ俺のスキルがバレたかな?


俺のチートスキルは2つ。

格闘の最上級スキル『拳神』と時空魔法の最上級スキル『時間停止』。


『時間停止』はレベル×10分間、時を止める事が出来る。回数の制限は特に無いが、長い間時を止めると、MPを結構使うので頻繁には使えない。


一瞬の内に消えて、弓使いの後に現れた俺を見て、騎士達は驚き戸惑う。


「本当に神の使徒様だったんだ!」


3人の騎士が新たに武器を棄てる。


まだバレて無い様だ。

使徒だと思ってる。


武器を構えた騎士は残り4人。


時を止めて、次に騎士隊長と騎士隊長がぶつかって倒れた騎士の2名の首を刎ねた。


レベルアップのメッセージが流れる。

<レベルが17に上がりました。>

・・・

<レベルが25に上がりました。>


おお、結構レベルが上がった。


隊長の首が刎ねられたのを見て、残り2名も武器を放り、両手を上げる。


9名の騎士が武器を放り出し、両手を上げている。


俺は隊長の左腰から奴隷の首輪を貰う。そして床に放られた武器を全て、アイテムボックスに格納した。


油断して斬られたら死ぬから、武器は取り上げよう。


時を止めて、王女の首に奴隷の首輪を付ける。


時を動かす。


奴隷契約の魔法が自動で発動し、首輪を着けた俺が主人として登録された。


「え?」


急に俺が王女の前に現れて、自分の首に奴隷の首輪が付けられていた。


そして俺の奴隷になった事を知り、愕然とする王女。


「さて、損害賠償と慰謝料を貰おうか。」


「・・・はい。」

王女は悔し涙を流しながら答えた。


奴隷の首輪の威力は凄いね。

拒否出来ないみたい。


「教主、ここであった事は忘れるなよ。そして、嘘はつくな。」


「はい。承知しました。使徒様には無礼を働き、申し訳御座いませんでした。」


使徒じゃ無いんだけどね。

素直で宜しい。


「教主と騎士達も一緒に来い。」


「はい。同行させていただきます。」


「さて、王女よ。王家の金庫に案内して貰おうか。」


「・・・はい。」

王女は渋々承諾した。


王女を先頭に召喚の間を出て、王家の金庫がある宝物庫に向かって、皆で歩き出した。


召喚の間の扉の外には誰もいない。


先程の王女の命令の際、扉の外から見張りの騎士も中に入って武器を構えてたからね。


通路を歩いて行くと、すれ違う人がいて、王女の首に付けられた奴隷の首輪を見て驚くが、何も言わず去って行く。


面倒に巻き込まれたく無い様だ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る