第2話 騎士と戦った
勇者召喚で異世界転移
しかも一国の王女や教主に対して随分無礼な口調で、・・・タメ口だし。
コミュ症だった俺は、元の世界では、こんなに喋れなかった。
多分「・・・は、はい・・・。」
って言って嫌々引き受けただろう。
しかし、チートな能力を貰って、開き直った。
開き直る事が出来た。
オンラインゲームのチャットでは、雄弁だったのだ。
もう、この世界はオンラインゲームの世界と思い込んで、自由にやりたい様にやらせて貰おう。
我慢も自重もしないのだ!
「おい、無礼にも程があるぞ!」
我慢の限界を超えたらしい騎士が、剣を抜いて向かって来た。
この世界に召喚された勇者は、召喚直後はレベル1から始まる。
かく言う俺もレベル1だ。
先程、教主の長々とした、この世界やこの国の説明を聞かないで、ステータスを確認したので間違い無い。
駆け寄る騎士達は5人。
しかも、みんなレベル30を超えている。
先頭を切って駆け寄る騎士隊隊長はレベル47だ。
通常の召喚直後の勇者はコテンパンにやられるだろうね。
騎士隊隊長は剣の腹で振り降ろしてきた。
一応殺す気は無い様だ。
んじゃ、俺も殺さないでやろう。
ちょっと人殺しって抵抗あるしね。
オンラインゲームでも、プレイヤー同士で戦う事は出来なかったし。
俺は左拳のアッパーを、振り降ろされた剣に叩き上げ、剣をへし折る。
続けて、右拳のストレートが騎士隊長の胸にヒット。
騎士隊長は殴り飛ばされて、後ろから駆け寄る騎士の1人にぶつかった。
「そ、そんな馬鹿な?」
驚愕の騎士隊長。
残る3人。
一番右の騎士が剣を草薙に払うところに、カウンターで左足の横蹴り。
剣を持つ手にヒットして、指が潰れて剣を落とす。
草薙に振った剣は刃が俺に向いていた。完全に俺を殺す気だった。
俺に冷や汗が流れる。
そっちがその気なら、こっちも
間髪入れずに右足で後ろ回し蹴り。
手加減無し。渾身且つ最大の威力。
騎士のこめかみにヒット。
騎士の頭が飛んだ。
首より上を失った騎士の身体が崩れて倒れる。
頭が無くなった首から、血が流れている。
うっ、気持ち悪。
ちょっと後悔。
吐き気を我慢しながら落ちていた剣を拾う。
残る二人の騎士は立ち止まり呆然と立ち尽くす。
レベルアップのメッセージが頭の中で流れた。
<レベルが2に上がりました。>
<レベルが3に上がりました。>
<レベルが4に上がりました。>
<レベルが5に上がりました。>
一気に4つもレベルが上がったぞ!
人を殺してもレベルが上がるんだ。
これは・・・。
殺人を神も認めてるって事か?
教主と王女は驚き唖然として、声も出ない。
「しょ、召喚直後の勇者は、レベル1のはずなのに何故・・・。」
倒れている騎士隊長が、胸を押さえながら呟く。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます