第ニ章 麗香


秋人は、ベッドに座ると、麗香に向かって言う。


「パパとママは、幽霊とか、そういうもの信じてないから。僕がこんな力を持っていることを知っていても、認めよう、受け入れようとする人じゃないんだ。」


「……そうなんだ。」


秋人の隣に座ると、麗香は話を聞いていた。


「パパもママも、僕を怖いと思っている。」


「怖い?秋人が?」


麗香は、眉を寄せた。少し、うつ向くと、秋人は悲しく笑った。


「うん……。分かるんだよね、そういうの。言わなくても、分かるんだよ。パパやママだけじゃないよ。親戚の人達だって。僕を避けてる。」


「そんなこと……。」


ゴロンと上体をベッドに倒し、天井を見つめると秋人は、話を続ける。


「パパとママは、もう子供は作らないんだってさ。」


「どうして?」


「……また、僕みたいな子供が生まれたら、怖いって。」


「秋人………。」


悲しく呟いた麗香に顔を向け、秋人は、クスッと笑う。


「なんで、麗香さんがそんな顔をするの?平気だよ。僕は。寂しくないもの。」


寂しくない……それは、嘘なのだろう。そんな気持ちで秋人は、今まで父親や母親に甘えることなく、生きてきたのか。そして、これからも……。


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