第五章 大きな柳の木の下で


(ショートホラー)【実話】


子供の頃、夜に父と銭湯へ行きました。銭湯の帰り、柳の木の並ぶ、川沿いを歩いていると、一本の大きな柳の木がユラーリユラーリ。風もないのに、その木だけ揺れている。ユラーリユラーリ。その木に近付くと、何かがブラーンとぶら下がっている。


-首吊り死体-


そう。女の人がその木で首を吊って自殺していたんです。それを見て父が言った言葉。


「幽霊かと思ったやろ!びっくりした!」


いやいや、そういう問題ではない。

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