第5話 ループの代償



 それで、なんか全裸友人が三日前に行った神社の神様が現れた……とか。

 その神社にまつられている、神様っぽい何かが話しかけてきて、この全裸友人をループさせたらしい。


 けれど、そのループの代償が、「人としての尊厳」だとかなんとか。


 それで、ループするたびに、一枚ずつ脱衣した解放感たっぷりの状態で24時間前に戻るそうだ。


 なんだそれ。


「おい、全裸。それ、もう無視して帰れば?」

「できるわけないだろ。振られたとはいえ、俺の好きな女の子の命のピンチだぞ」


 俺の友人は見ての通りバカだ。

 でもバカはバカでも熱い方のバカなので、こういう時に、自分が楽をしようとは思わないだろう。


 そういうところは嫌いじゃないが、そんな性格が災いしてこっちにまで火の粉がとんでくる。


 よくある事だった。


「頼むお前、俺の役に立たない脳みそのかわりに、いい案考えてくれ」

「お前ほんとにバカだな」


 そういうことは、完全脱衣する前に言うもんだろ。


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