第3話 何年何月何日?



「今は一体何年の何月何日だ!」


 それで友人は、そんなタイムリープしてきたみたいなセリフを言った。


 やっぱり見て見ぬふりして通り過ぎればよかったかな。


 なんでごくごく普通な人間である俺が、タクシーの運ちゃんから、哀れまれるような視線を受けなければならないんだ。


「お前が教室で、気になるあの子に告白するって言いふらしてた、その運命の日の前日だよ」

「くっ、また失敗して戻ってきちまったのか」


 またって何だよ。


 こいつこんな、厨二だったっけ。


 友人はテスト当日でもしたことがないような、きりっとした顔になった。


「いいか、よく聞け相棒」

「何だよ」

「今から24時間後に悲劇がおきる。俺はそれを阻止するために、タイムリープしてきたんだ」

「寝ろ」

「俺は、寝ぼけてなんかないぞ」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る