第2話 要所要所は隠れてるけど



 まあ、完璧な全裸ではなくて、申し訳程度の木の葉が要所要所を隠してるけど。

 逆にそれがなんか卑猥。


 酒に酔って、バカでもやらかしたんだろうか。

 たまにあるよな。


 ストレス抱えてると、酒で一気にタガがはずれるの。


 普段まじめなやつほど、そういう時にやらかすのが。


 でも、あいつはそこそこ不真面目だし、未成年だし、ルールは守る方だし、そういうのとは違いそうだけど。


 俺はともかく、通りがかったタクシーに手をあげて、いやいやながらその汚い雑巾みたいな奴を引っ張って保護した。


 俺は、意識朦朧で「時空の渦が」とか言って目を回している、そいつの肩をゆすった。


「おい、起きろ全裸。いつからお前は露出狂になった」


 するとそいつは、カッと目をあけてうめいた。


「うっ、死ぬ!」


 どういう目覚め方だ。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る