第1話 親友じゃないけど



 クラスの中にいるあいつ。

 親友じゃないけど、それなりに仲は良い。


 同じ班になれば、よく話すし、町中で顔を合わせれば一緒に遊ぶ事もある


 俺とあいつの間にあるものは。

 親友と言う程の距離感ではないけど、友人とは間違いなく言える距離感だ。


 だから、気になったのだ。


 町中で、何気なく歩いている時に、目にした物が。


「あれ、あいつあんな所で何して」


 友人以上親友未満なそいつは、人に避けられながらそこに存在していた。

 何やら、殺害現場よろしくその場に倒れて、「犯人は神」とかいう血文字(?)でも綴っているらしい。


「本当に何やってるんだ?」


 だが問題はそこじゃない。


 通行人の人が「もしもし、警察の方ですかっ、今ここにぜっ、いえっ、そのっ、とっても怪しい人がいるんですが」そう携帯電話にかけているのを見て、俺は足を向けた。


 まあ、言葉を濁したくなる気持ちは分かる。


 なぜなら、その当のあいつは、解放感たっぷりの姿……何故か全裸だったからだ。


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