相談

それを俺の仲間に話すと、「そりゃ諦めるしかねぇっすよ」と返された。

「諦めるしかねぇって、んなことわかってんだよ。アイツと俺じゃ釣り合わないし、暁夜の方が良い奴だってのもわかる。

でも仕方ねぇだろ、好きになっちまったモンは」

あまり長く語るのは好きではないが、彼女のことになるとやたら話しこんでしまう。

「そりゃそうすけど、氷川真奈って確か成績優秀か何かで表彰されてましたよ。

ちょっと伊月さんの頭じゃ……なあ」

「それに伊月さん、雑だしすぐキレるしあんな真面目そうな子よりもっと明るい子が良いっすよ」

その言動に怒りを覚えたが、ここで爆発すると「言わんこっちゃない」と言われるので耐えた。

彼女が成績優秀なことも、俺とは合わないであろうことも理解している。

だが、理性と本能は違うのだ。自分の気持ちを偽ることはできない。

「っっせーな、わかってんだんなこと。相談した俺がバカだった」

舌打ち交じりにそう言い、その場を去った。

「あ、伊月さん待って」「俺達が悪かったっす」と背後から聞こえてくる声も、当然無視である。

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