第10話 惑星ユートピアへ

 ウイルは宇宙戦に乗ると『父上、惑星ユートピアへ飛ぶから応急処置だけしといてね』ドアを閉めてコックピットへ走り去っていきました。

コックピットには、未来の技術を受け継ぐ3代目の茶髪で天パの科学者チュースケ(狐)が座っていました。

『急ぎで惑星ユートピアまでお願いします』

その言葉を聞いて場所設定した後発進させました。

 ウィルはコックピット横の棚にあった箱の中身を取り出しました。全長100cmの鷲の像が羽を広げて木の上に止まっています。

『急げと言ったくせに呑気に飾り付けかよww』

『これは風詠み鷲、特殊気流を掻い潜り中へ入る為の必須アイテムらしいです』

 惑星ユートピアは東にあり、鳥人族と言う背中に2枚の羽が生えた種族が住んでいます。


 一方、王子を抱えて医務室の方へラルゴは運びました。王子が持っていたキングチェインを使い鳥人族の王との念話を試みています。

 『アポロン王聴こえますでしょうか?』

『ああ、聴こえているぞ、キングチェインで話しかけているのは何処の誰だ?』

『獣人族の騎士団長ラルゴ申します。火急の用がありましてお願いです、未来の技術を持つ医者に手術の準備を整えるよう言って下さい』

 『ああ、丁度ドクターとチェスを楽しんでた所だ容態を聴かせて貰おう』ドクターの手を掴んだ。

『7歳の子供で右腕の肘から下に深い刀傷です。止血剤を使用して血を止めようと応急処置していますが中々か止まりません』

『心臓より上に手を上げて傷口に包帯を巻いて二の腕の血管を押さえて動かさずそこに待っていて下さい。急ぎ準備して向かいます。場所は何処ですか?』

『現在は、ユートピアへ向かう宇宙戦の中です。超最新型なのですぐ到着すると思います』

 『王宮のエアポートに降りてこいよ許可する』

ドクターは医務室へ必要な物を取りに行った。


 宇宙戦は惑星の大気圏近くまで来たようです。乱気流が星の近くに渦を巻いてます。舵から手を放しどうしようか迷っていると像だったはずの鷲が羽ばたき舵の上に止まり操縦し始めます。乱気流の中に船は突っ込んで行きました。船は気流の嵐を抜け山々に囲まれた大地が見えて来ました。ラルゴは息子に念話で事情を話しました。

『チュースケさん、宮殿のエアポートに着陸してハッチはすぐ開けて下さいね』ウィルはハッチに向かって行きました。

 

 

 

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