第1話 稲妻と共にやって来た男

 目を覚ました青年は驚いた。一見、人間みたいなのに手は肉球の様にプニプニで動物を模した耳と尻尾の形が各々違い感情によって獣化するみたいだ。彼等は獣人族じゅうじんぞくと言う種族でここは惑星ザバンらしい。

 青年は未来から過去を変えるために来たと言った。約1000年後の世界は宇宙帝王に支配されていて、更にいにしえの魔物が復活して生命は死にゆく…

 宇宙支配を企むものによって最初に惑星ザバンは滅ぼされると真面目な顔で話した。

 皆、最初はバカにして相手にしなかった。すると、未来から来たものは、一心不乱にもの造りに没頭した。数ヵ月後、彼は満面の笑みを浮かべ獣人族の王にお披露目したいと願いでた。金の髪をなびかせている虎の獣人である92代目国王は面白そうな余興だと快く承諾した。彼は2人乗りの小型飛行機に搭乗して実際に動かして見せた。その乗り物はとっても早く到底今の技術では作り出せないものだった。

 『これは驚いた!旧式の小型宇宙船がこんなに早く走れると思わなかったぞ!未来から来たと言うのはあながち嘘ではないらしいな』

 『陛下、信じて頂けましたか?私は未来から来た科学者のファウストと申します』

 『ファウストよ、まだ我が星ザバンが滅びると言うのは信じがたい…

 だが、面白いものを見せてもらった礼に研究環境を作ってやるからしばし待たれよ』

 『陛下、もう何人かこちらに未来人が現れるはずですので滅びの審議はまだ後からでも遅くないはずです。私の研究成果は他の星には機密事項として漏らさないでいただけませんか』

 国王はそれを承諾した。研究施設を王宮裏の人里離れた場所に森を切り崩して作り出し、数十年の時が流れた。

 

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