第87話 恋の話 三十
それを「感情」と呼ぶのかは、私には分かりません。それは単に私の中の神経の電気信号の羅列に過ぎないのかもしれません。でも、私にとって初めての「好きなもの」ができ、私は初めて、そこで「生きる喜び」を知りました。これは、私のようなゾンビにとって決して大げさな表現ではありません。
そうやって宇宙について調べているうちに、私は宇宙の研究者になりたいと思うようになっていきました。そしてそれに付随して、私は他の学問、学問全般にも興味を持つようになりました。
そう思っているうちに、私は大学生になり、今日に至っています。また私は高校を卒業するまで、自分がゾンビであることを周りには隠していましたが、大学生になり、今の研究室に入るにあたって、研究室のメンバーにはそのことをカミングアウトしました。すると最初は皆さん驚かれましたが、偏見を持たれることなく私に接してくださり、その研究室の中では皆さんと仲良く過ごすことができています。
これが、私が今まで生きてきた人生の、短いですが概略になります。―
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