　　「水族館、ですか？」

「はい、今度２人で行ってみたいなと思いまして…。

　他の所の方がよろしいですか？」

「いえ。ありがとうございます。

　それでは楽しみにしています。」

「はい、僕も楽しみにしています！」

　僕たちはそう電話でやりとりをする。

　思えば平沢さんに電話をかけるのはこれが初めてだった。僕はそんなことも考え、緊張しながら電話をかけた。また「付き合う前のデート」には水族館がオススメであると雑誌に書いてあり、遊園地などよりは平沢さんも喜ぶかなと思ったがいざそれを伝える段になるとやっぱり緊張した。

　そんな二重の緊張感に襲われた僕であったが、何とか約束をとりつけ、また僕はデートの準備をした。

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