第28話 宇宙の話 一

 「あっ、あなたはあの時の―。

 中野さんでしたっけ?」

「あっ、覚えててくれたんですね!

 平沢さん、ですよね?」

「はい。」

 数日後、僕は講義が終わった後平沢さんの所属する研究室に向かった。

 やはりその日も1月ということで寒く、僕はダウンを着ていた。…ただ女性に会いに行くということで、僕は自分が持っている中では1番おしゃれ、とは言えないかもしれないが幾分かマシなダウンを着ていた。

 そして僕は普段はあまり通ることのない理学部の方角へと足を運ぶ。その近辺には茶髪にピアスのいわゆる「チャラチャラした」学生もいたが、中には僕と同じような「真面目そうな」学生もいて、

 『この人たちも勉強を頑張ってるのかな…?』

 と、僕は勝手に思った。

 もちろん人は見た目で判断すべきものではないとは僕も思うし、一見チャラそうに見えても勉強をしっかりしている人も多いだろう。

ただ、やっぱり僕と似た外見・雰囲気の人には、勝手に親近感を感じてしまう。

 …その後すぐに理学部棟にはたどり着き、僕は棟内に入ってすぐの所にある表示を見る。

 そこには大きく、「宇宙研究室」と書いてある掲示板があった。

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