第27話 プロローグ 二十七
『やったー!』
その後僕は予定通りカフェで本を読んだが、その頭の中の半分はさっきの出来事で埋め尽くされていた。
…それにしても、よく勇気が出たものだ。本当に、自分でもびっくりするくらいに。
『これは、恋なのか…?僕は彼女、平沢美宇さんのことを好きになっている…?』
しかし、その時の僕には自分の中に芽生えた感情を「恋」だと確定させることはできなかった。僕はそれほど、恋愛に対する知見も経験も持っていなかったのである。
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