第16話 プロローグ 十六

  しかしそんな僕に転機が訪れる。それは…たまたま僕が図書館での学校の自習の息抜きに哲学書を読もうとして哲学のコーナーを見ていた時のこと。

 僕は受験勉強は嫌いではなかったので、英語・数学・世界史など楽しんで勉強していた。ただやっぱりそれらは哲学の魅力には勝てず、僕は気分転換に哲学書を読み続けていた。

 そして、そんないつもの「哲学書」のコーナーに…、

 「心身問題について」という新刊の本が入っていたのだ。

 『おっ、新刊が出てるんだ。読んでみよっかな。』

 僕はその新刊に心が吸い寄せられた。そして、いつものようにその本をとったのだが…。

 その衝撃は、僕が初めて哲学の小説を読んだ中学生以来のものであった。

 そこには「人の心」に関する最新の研究の成果が書かれていた。

 『人の心、か…。面白い!』

そして僕がその「心身問題」を一生の僕の研究テーマにしたいと思うようになるまで、そう時間はかからなかった。

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