第15話 プロローグ 十五

  そう、その時の僕には小さな悩みがあった。それは、

「自分が哲学の何を研究したいか?」

ということである。

 …繰り返しになるが僕は高校時代様々な哲学書を読み漁った。そしてそのどれも僕は好きで、興味深いものばかりであった。…だからこそ僕は「より具体的な進路」、「哲学の何を研究したいか。」を決めることができていなかったのである。

 僕は哲学が本当に好きで、その全てが大好きであった。…だからこそ余計に、その中での自分の進路、哲学の中でも自分が特にやりたいことを、なかなか絞り切れていなかった。 

『まあそれは大学に入ってからでも決められることだ。別に焦ることじゃないよな…。』

僕は心の中でそう唱え、高校3年生の最初の頃を過ごした。

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