鏡の城(3)
アリスはその話を聞き、今でも太陽のドアが存在するのか聞いた。
すると、その問いに鏡の王は、真剣な表情を見せ。
「アリス、申し訳ないが私たちの頼みを聞いてくれないか?」
「……頼み、ですか?」
突然の頼みごとに困惑気味のアリス。
一方、暗闇の王国ではただならぬ動きを見せていた。
「王様! 王様! とんでもないことが起きました!」
あの暗闇の住人2人が、王の間に駆け込み。この2人、暗闇の王の家来だった。
暗闇の王は王の椅子に座り。
「何事だ!? 騒々しい!」
ひざまずく、家来の2人。
「王様に至急、お耳に入れたいことが」
「話してみよ」
「実は、鏡の世界でアリスとか言う子供が、スザンヌ様と同じ、正義の紋章を持っていました」
突然暗闇の王は椅子から立ち上がり、かなり動揺し。
「何!? そんなバカな、見間違いではないのか!?」
「確かにこの目で見ました。王様が話した光景と同じでした」
家来の1人が、昨日の出来事を説明した。
「そのアリスとかいう、小娘はどこの生まれのものだ?」
「鏡の王国の紋章がありました」
「鏡の王国!? まさか、わしにいい考えがある。ちょっと耳を貸せ」
暗闇の王は、家来の1人に耳打ちをし、家来2人は王の間を出て行き。暗闇の王は何か企んでいる。
そんなことなど知らないアリスは、鏡の王から頼みごとを聞くのだが。その前に、頼みごとに関わる話しを聞いた。
スザンヌが元いた世界に戻ってから3年が経ち、スザンヌの住む世界を参考にして、この島を6つの王国に分けた。その祝いの日に、これから先、太陽のドアを誰が守るのか、話し合いになり。エリックが、私が守ると申し出た。
すると、アーロンがスザンヌのことで問題をお越したことを持ち出し、今でも気持ちがぐらついているとアーロンに指摘され、お前には無理だと言われ。そのことで2人は喧嘩になり、それを止めに入ったアイリスがエリックに突き飛ばされ、右足に怪我をし、足を引きずって歩くようになり。そのことでエリックは、隣の王国、大男の国に逃げ込んだ。その後、どういう訳か、自由に暮らしていた大男たちはエリックを受け入れた。
一方、アイリスに怪我を負わせたことを一言も誤りもしないエリックの態度に我慢しきれず、アーロンは鏡の力で大男の国の境界線上に鏡の壁を作り、まるで囲うようにして、太陽が当たらないように暗闇の世界にし。太陽の光を失った大男の国の住人たちは、アーロンに訴え、太陽が当るように願い出た。
端から聞く耳を持たないアーロンだが、エリックがアイリスに謝罪し、私にも謝罪するなら、暗闇の世界を解除すると言った。しかし、引くに引けないエリックは、これに応じない。
そんな時、大男たちは再度、太陽が当るようにアーロンに願い出ると、大男たち説得により、4ヶ月間だけ太陽の光を取り戻した。
このあと、アランは2人に仲直りをするように頼んだが、聞く耳を持たず。エリックは、大男の国の名を暗闇の王国に名を変え、暗闇の王となり、鏡の力を闇の力変え。スザンヌが舞い戻って来ると信じ、境界線の場所に見張り小屋を建てた。
鏡の王は、ここで本題の頼みごとを話した。
3年前、暗闇の王が伝説のパスポート、スザンヌのパスポートを奪いに来ると噂さが流れた。おそらく、噂を流したのは太陽の王の仕業。
あのパスポートは本人のみしか使用できない。暗闇の王はそのことを知っているはず。
なぜそんな噂を流したか。おそらく、守りを固めるために理由が欲しかった。自分の鏡の力が弱っていることに気づいたんだと思う。
いやな予感がする。おそらく、暗闇の王もこのことに気づき、太陽のドアを開けようと企んでいるかもしれない。最近、暗闇の連中の動きも気になる。35年間の想い、そんなものがあるのかもしれない、まさかとは思うが。
もし暗闇の王が、王族だけが無条件で太陽のドアを開けることができることを知り、太陽のドアを開け、暗闇の王がアリスのいる世界へ行ったら、太陽のドアはこの島を捨てたとみなし、太陽のドアと共にこの島は消滅する。暗闇の王はそのことを知らない。それを阻止するため、アリスに暗闇の王を説得して欲しいと、鏡の王は言う。
困惑するアリス。
「ちょっと待ってください! 私に説得なんてできません!」
「無理を承知で頼む!」
「私、子供ですよ。私にできるはずが」
「アリスならできる!」
「なんで!?」
「パスポートがアリスを選んだからだ。正義の紋章の持ち主として」
「お姉ちゃんが!?」
「お姉ちゃん!?」
「いえ、なんでもありません」
「アリス、この手鏡を持っていきなさい。きっとこの手鏡が守ってくれはず……。頼む! これはアリスにしかできないことなんだ!」
「私にしかできないこと……!? わかりました。私に、何ができるかわかりませんが、やってみます」
アリスは、暗闇の王国へ行くことになり、王の間を出た。
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