凍る太腿


悪魔に

部屋のコタツを占拠された

わたしはぶるぶると震えながらこの冬を過ごすことになりそうだ

天使が

注意しに来てくれた

ぱたぱたぱた

空から降りて来た

(いいぞ)

わたしは思った

天使は悪魔にあっちにいけと怒った

悪魔はしぶしぶコタツから出て来た

そこへすかさず天使が潜り込んだ

背中の羽をぱたぱた震わせ歓喜を表現していた

わたしと悪魔は茫然と立ち尽くしそれを眺めていた

「許せねぇ………」

悪魔が呟いた

「な?」

同意を求めて来た

わたしは頷かなかった

頷くかよ

お前だって似たようなものじゃないか

天使だろうが悪魔だろうがわたしの部屋のコタツを占拠しない奴はいないのか?

いなかった

みんなわたしの部屋のコタツが目当てだった

それ以外にわたしの部屋に価値は無いらしい


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