人生の終わり


わたしは奇跡的に車に撥ねられて死にました

それは滅多に無いことでした

ぐっちゃぐっちゃにされました

用済みの救急車が駆け付けました

蟻が無言でずっと側にいてくれました

咬まれました

わたしは既に餌でした

どうでもいいことばかりのように思えました

何を大声で喚く必要があったのでしょう?

過ぎ去った今となっては不思議で仕方ありません

特に感想もありません

車を運転していた青年は今朝、手淫のしすぎで腕が痺れていました

そのことをこれから弁護士に一生懸命、説明するつもりでした

「おおお、おかずは義理の妹でした」

ふーん

その一言に尽きます


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